パリとスリランカを訪ねて~それぞれのお茶事情~

堀井長太郎 会員

こんにちは、スピーチさせていただきます。よろしくお願いします。

今日のスピーチは、井上さんが、今おっしゃってましたように、昨年、酒田スワンロータリーが2800地区1組の IM を開催された時に私が講演したお茶の話をしてくださいと、依頼を受けておりました。そのお話よりも昨年11月にはパリ、1月にはスリランカに行って参りましたのでその時の話をしたいと思います。お茶の話は次の機会に致します。先週の卓話は立命館の先生で、その前は東大の大学院の先生、私は大変やわらかくなって申し訳ないですがお聞きください。

宇治茶普及でパリへ行ったお話は京都府が進めている事業で、宇治茶を何とかプレミアムブランド、他の日本茶産地と全く違うよということをパリのほうから発信して欲しい、日本から発信しているんではなかなか伝わらないということ、パリの人に「日本のお茶、宇治は最高や」ということを発信せよ、又、宣伝をして欲しいということで企画されたものなんです。パリでの仕事は11月21日から25日まで5日間行ってきました。まず一日目は、パリの料理人とか菓子職人のパテシエ、有名な人を約100人ぐらい呼んで、私は抹茶の接待、吉田利一さんが玉露の接待、会議所の職員が煎茶の接待、それぞれ3部門を受け持ちまして10時ぐらいから5時頃までそれぞれのお茶を説明をしながら接待するということです。その3コースとも全部飲まれる方もおられまして、その中で通訳の方を交えていろいろ話を聞いて実際飲んでいただいたということです。訪れた人に実際.点てていただく事はしませんでしたが抹茶はやはり宇治ということで大変評判がよかったです。さらにブースの奥の方ではお茶を使った小さな料理を食していただくコースの設営があり、これも大変喜ばれていました。パリ時間があって夜8時を越して結局150人ぐらい来られてすごい盛況でした。玉露も煎茶もですが、もちろん抹茶も一様に本間物を口に入れられた感激を、驚きの表情で表され、今まで飲んだお茶と違うという事を多くの方がおっしゃっていました。

2日目はパリにある「とらや」さん、ようかんとか、和菓子で皆さんご存知と思いますけども、「虎屋黒川」パリ店、そちらにお邪魔して、場所を借りして、だいたい1回24人ほどずつお招きいして、それをさらに6グループぐらいに分けて、実際に自分でお茶を入れていただいたり飲んでいただいきました。とらやさんは1985年からパリに出店されておりまして、パリの一流ブランド店が並ぶセントノーレ通りから横に入ったところにあります。ここのお客さんを対象ということでほとんどがセレブな人ばかりで、言うたらすぐ京都へ行きたいというようなお客さんばかりでした。まず始めにいれ方をデモして、その後、実際に皆さんの横に行って自分たちで入れていただいたようなことでございます。

とらやさんではお茶とお菓子とセットで販売なさっていますが、だいたい朝から2時間ぐらい実演していました。私らはお茶とお菓子のセットが一番いいだろうと思っていましたがよく出ているのは和食のランチで食後にお茶とお菓子が出るメニューだそうです。正午をすぎるとスタッフから、淹れ方教室で使用していた店内の一部の席を開けてくださいと言われました。なぜかなと思いました。実はこの席は毎日こられるお客さんの席になっています。甲子園の阪神の年間シートみたいなもので常連客のためこの席が取ってあるとの事で驚きました。で、その場所での実演はストップしましたが、お客様の質問は続きなかなか終了することが出来ませんでした。お客はセレブな人ばかりで、お茶のことも結構知っておられる方が多いです。ただまあ、残念なことに日本茶は宇治が最高の産地であるというのはまだまだ伝わっていないようです。とらやさんで飲まれるお茶とは全く違う、こんなおいしいものがあったんかと驚きのようで、喜んでいただきました。とらやさんには2日間にわたり実演させていただきました。講習会に参加された方から、「こんな素晴らしい宇治茶とお話を有難う」と、次の日差し入れのチョコレートを戴いたことも私たちにとって嬉しい事でした。

最終日、25日は宇治茶を使っての料理、三ツ星のシェフのクリスチャンスケールさんという方がフォーシズンズホテルの中のジョルジュサンクというレストランで料理を振る舞うということが一つの目的でした。実はこのクリスチャンスケールさんは昨年7月に京都に来られてまして、私の店にもご来店いただき、その他、宇治の玉露、煎茶の生産現場をずっと尋ねられて結構お茶のことを先に学んで帰られておりました。この料理をするためにも9月ぐらいから試作するので玉露、抹茶、煎茶を相当な量を送って何回も試行錯誤されていたようでした。70人ほど招待しまして大変素晴らしい部屋でやっていただきました。婦人画報3月号に取り上げられています。フレンチはソースが決め手と言われます。煎茶にはフォワグラが合うということでした。白身の魚には玉露、お肉には抹茶、それぞれの料理の素材に合ったお茶のソースをつくられ視覚味覚を充分に楽しませていただきました。この時、私はフリーで、およばれするだけでよかったので、至福の時を持てました。ここで出されるワインも素晴らしい、料理にものすごく合ったワインをセレクトされているので本当にこういう最高の場を与えていただいてよかったなと思っています。この時のメンバーの中に元アナウンサー、で今、パリで活躍されている中村江里子さんがおられました。パリジェンヌにも負けないすごい綺麗な女性でした。

日本大使館やジェトロへ表敬訪問を行い駐仏大使にも面会させていただきました。3月の府民だよりにお茶の京都ということでこの催しが載っております。ぜひご覧、いただきたいと思います。

現地のお茶事情はやはり抹茶がすごくもう、通用名になっており「MATCHA」が浸透しています。パリの大通りに旨味(うまみ)という抹茶カフェがありました。持っていった抹茶と全く違う、早く言えば表現がおかしいかもしれませんが偽抹茶が使用され、ストーレートの抹茶ですが色は悪いし、渋くて飲めない、最後まで飲めない味でした。値段は安いんです。2.7ユーロ、300円ちょっとぐらいで飲めますが、それではやっぱりいい抹茶は飲めるはずがないのです。店員さんは宇治抹茶と言っています。宇治白川の本覆の茶園のところで記念撮影をしている写真が飾ってありました。私たちはほんものの宇治茶を伝えに行っていることよりも、こういう低レベルの品が先にどんどん伝わっているような感じがして遅れを取っているのかな違うかなと言うのが実感です。パリの大通りには抹茶カフェが沢山出回っているので何とか早く手を打ち石臼挽きのほんまもんの抹茶と粉砕機とかで微粉にした抹茶との区別をしないとだめだなと思っています。

1月の15日から城島さんと小永井さんと一緒にスリランカに行ってきました。皆さんご存知のようにお茶が取り持つご縁でスリランカの中央部分の高原ヌワラエリア市との友好締結30周年に行ってきました。その間、25年間はスリランカ国内の事情により交流が途絶えていましたが30年ぶりに行ったということで大変歓迎を受けました。歓迎行事等については城島さんや小永井さんにしゃべっていただくとして、私はお茶の方に特化してお話しさせていただきますが歓迎式典に向こうのロータリアンの人が来られており、日本に来られたら是非立ち寄ってくださいというようなことを3人で話をしておりました。ヌワラエリアは本当に良いお茶が取れる高級産地です。お昼頃のことなんですが街の中は全くの快晴で晴れ渡っていて素晴らしい天気でしたが、ちょっと20分近く車で山の上に行くとざっーと霧がかかってきました。で、霧のかかる場所はいいお茶が取れるところだなと感じたわけです。ただ茶園自体はですね、茶の根がすごく太くて、恐らく原則として無農薬、無肥料、何もしない、ただもう植えてあるダケですね。地面もカチカチです。宇治の茶園は土壌が空気の流通をよくするためフワフワで、茶園を歩くと足が沈み込むように柔らかい茶園です。茶園内も固く、そういうところが全然違うように思います。宇治の茶園は新芽がビシッとでそろっていて、密集しているような状態の新芽を摘み取るという事ですけども、現地は何も手付かずの茶園で、新芽が出てきたら摘むということですから、新芽もまばらに出ているだけですね。殆どは、紅茶の原料になるわけですけども。畝があるわけでもなし、ただ、だだっ広い茶園に新芽が出ているという形です。茶園の中に人が通れる空間があって、その空間部分に入り、茶摘みをしていくということ。もちろん手摘みですけども、茶摘みかごは使っていませんで、頭からかけた袋を背負って、出ている新芽だけを摘んで前に進んでいく。2mくらいの白い棒を茶摘みさんが持ちます。これは目印でその棒よりも上に出ている新芽だけを摘んで前に進めということらしいです。宇治で手摘みのお茶を1キロが摘むのがだいたい400円ぐらいと決められていて能率給です。現地は日当が400円程度という事で一か月2万円あったら生活ができるということですが日当がすごく安いように思いました。スリランカの茶園も山の斜面を使って全部利用して大きな茶園になっています。私たちが見に行った紅茶園の経営は一社がやっていて、ほとんど大会社が経営しているとの事です。宇治市の茶園面積が70ヘクタールと言われていますが、見学の会社は一社で200ヘクタール栽培し、日本のどこに供給するかというとキリンの午後の紅茶の原料として出しているということです。私が想像していたのは宇治と同じく茶づくり名人がおられたり、名高い茶園があったりと思っていたんですが、今回はお目にかかれる事は無かったです。セイロンでは大きな会社が実権を握っていて茶摘みさんや茶園栽培者を使ってほとんど栽培から販売まで行う、というような運営をプランテーションでやっております。昨年の10月ぐらいに京都府のお茶の組合でお茶の審査をしている時にスリランカら4名ほどお茶を作りたいからといって大臣が来ておりました。今、紅茶をやっているが緑茶というのは経験がないので教えてくれということです。その時の名刺にプランテーション担当大臣と書いてありました。これからは紅茶だけではなくて緑茶を作っていくのではないかなと思います。そういう話をしていたら一昨日も日本の製茶機械メーカーがどんどんスリランカへ行って緑茶を作るような話を聞かされました。実際そういうような動きが大きいんだなということでつくづく感じてきたわけです。

お土産話です。現地のシギリヤロックと言う世界遺産の岩山を登るとき、急な階段を上る手助けする男子のサポーターがいました。政府公認のサポーターで身分証明書も持ち、腕を抱えたり後ろから支えてくれたり登山の手助けをしてくれる男性で1,500円程度だったように思いますが、話のタネに一緒に上りました。印象的だったのは山に登る前、国歌が流れてきました。直立不動で音楽が流れる方向を見て、国歌斉唱を行い、愛国心が強いとつくづく感じました。

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