「認知症を安心サポート養成講座」Part 2

認知症コーディネータ 

野々村輝貫

皆さんはじめまして、北宇治地域包括支援センターの野々村輝貫と申します。今日はこのような場にお招きをいただきまして誠にありがとうございます。何分ちょっと緊張しておりますけども、頑張って、ご説明の方をさせていただきます。お付き合いの程よろしくお願いいたします。

それではスライド説明の前にちょっと面白い記事がありましたので皆様方にちょっとお話させていただきます。

もうじきに敬老の日があります。先日、山本宇治市長のほうが100歳以上の方の、高齢者の方のご自宅をご訪問されたというところが記事に載ってました。実際、市内の最高齢の方はお幾つなんだろうと記事に載っておりまして、ここにいらっしゃる山形さんも本当にお元気で私も尊敬しているんですけども市内の最高齢の方は何と満106歳の女性ということです。すごいなと思っています。実際に満100歳以上で敬老月間を迎えられた人は宇治市では何人の方がいらっしゃるのかというと80人の方が100歳超えてらっしゃるということ、そのうち男性が13名、女性が67名となっていました。そうなんだなという感じを持ちました。

で、これは宇治のお話なんですけども全国で調べてみますと100歳以上の高齢者の人数は皆さん何人ぐらいいらっしゃると思われるでしょうか。6万人、ああ、正解です。約ですけども今6万人超えている、100歳以上を超えていらっしゃる方は日本全国でもうすでに6万人を超えているという数字が上がっています。で、面白いんですけども、ちょっと、また、調べたんですが過去のデータなんですがこれは確実な記録です。史上最高年齢の方はこれは残念ながら日本人ではないんですね。フランスの女性でもうすでに亡くなっていらっしゃるんですがこの方の最高年齢が122歳と164日なんですね。まだ30年あるわ。(山形さんのつぶやき)そうなんです。ですから、まあ、まあ、上には上の方がいらっしゃるんだな、ああ、そうなんだと思いました。ただ、寿命の限界というものも言われておりまして、だいたい、110歳から115歳と言われております。まあ、だんだんにこの寿命も延びていっていますけども、そういったこともこの日本が少しずつこういったところに、時代の流れとしてあるということは側面として押さえておきたいなというところでございます。

宇治市でも80人の方が100歳を超えておられるということなんですが100歳を超えられる、そういう高齢化がだんだん日本も進んでいるのですが、その中で高齢化に伴ってまあ、たぶん、心配になってくることが一つあると思います。それが今日お話する、この認知症なんです。前回にも宇治市の藤田副部長がお話しされましたが、ちょっと私の方は前回と受け続いて認知症のちょっとしたミニ講座、ミニ講義みたいなものをさせていただきまして、その後、第3回目に繋がしていただきたいと思います。

では、認知症のこれからということで、まだまだ、経過段階なんですけども、皆さんとともに歩んでいきたいなと思っております。お付き合いよろしくお願いいたします。

宇治市の高齢化率が示されています。東宇治、北、南ともにもう20%を超えておりまして、北のほうでは23.88%、東宇治、南のほうも26.45%、そのうち中、北、西、 南、どこの宇治市の地域を取ってみても、もう20%はすでに超えておりまして、高い所では29.86%、ほぼ30%です。先程のフランスの女性の話もありますが宇治市でもやはりこういった高齢化の波がすぐそこまで来ているというところでございます。

そもそも「認知症ってなあに」なんですが私自身もこの4月に配置転換で、今こういった認知症の話をさせてもらう職種についております。これは私自身も知らなかったことなんですが、知らなかったということで改めて今回載せさせていただいております。認知症ってなあにというところなんですが認知症は実は病名ではないというところでございます。認知症は症状を表すを状態を総称して認知症と呼んでいます。新聞とかでも認知症というのがどんどん載ってます。今日、午前中に他の所でもお話してきました。認知症ってアルツハイマー病のことじゃないのと言う質問がありました。そうじゃないんですよとお話させていただきましたが実は認知症、病名が異なればケアも変わるということでございます。認知症の代表的な4疾患を示させていただきました。これはあくまでも代表的な4疾患というふうに覚えていただいたら結構です。

確かに一番多い認知症の疾患名は「アルツハイマー型認知症」約60%です。もう、半分以上がアルツハイマー型認知症の方が多いというところは確かにあります。

続いて多いのが「血管性認知症」これが約20%強でございます。

そして、その次が「レビー小体病」これも認知症の疾患の一つで約20%弱。

そして最後は「前頭側頭型認知症」約10%以下ということです。

これ、実は覚え方がありまして、これは府立洛南病院の森先生から教えていただきました。この赤い字のところだけを読みますと「ある血管レビー の前」という言い方で覚えるとだいたいこの代表的な4疾患が覚えられます。

で、この認知症の少し、細かな話をしていきますと「アルツハイマー型認知症ってなあに」というとその最も代表的な症状というのはやはり物忘れです。よくテレビのドラマであります、3分前に食事が終わったのにご飯まだかとか、ご飯食べたとか、よくそんなシーンがあります。本当に先程の5分、10分、15分前のことが忘れていたりとかがあります。代表的なのが物忘れというところです。

もう一つ、本当は沢山あるんですけども今回は二つだけにしております。感情機能は良好に保たれており、一見普通に見える。ですから、多分皆さんが地域で、街で、スーパーでお会いされたときには多分何も変わった様子がないなと感じられると思いますが、実は感情的機能が良好に保たれていますので一見普通に見える。これがアルツハイマー型認知症の特徴でございます。代表的なものは物忘れ、そして感情機能は良好に保つたれているというところがあります。

続きまして、血管性認知症、こちらはアルツハイマー型認知症に比べると物忘れに対しての自覚は保たれております。昔はまだら認知症ということが話されていましたが、記憶の一部分は保たれており、つじつまが合う時とあわない時があります。それともう一つ、感情のコントロールがうまくいかず、感情失禁など、喜怒哀楽が激しくなりやすい。では、感情失禁が伴っているということで、急に大笑いされたり、泣き出されたりというところがあり、感情のコントロールがうまくできないのが血管性認知症の特徴です。

続きましてレビー小体病、これはすごくわかりやすいのです。幻視を中心とする幻覚や妄想などの精神症状が出現しやすいということで、私は以前デイサービスセンターの職員だったんですが本当に目の前にご本人さんはいると思われていますが「蟻が通っている」その蟻を自分の指で捕まえたり、何もないんですがゴミを拾われたり、お話を聞くとそこにあるんです。蟻が通っている。ゴミを拾っているとお話されます。そこに寄り添ってお話をさせていただきますがこの幻視というのはレビー小体病の特徴の大きな一つだと思われます。身体面ではパーキンソン症状を伴うというところがあります。

そして最後の前頭側頭型認知症、この認知症なんですけども一番目に性格面と行動面に於ける変化に特徴(別人のように見えたりする)があります。高齢者がコンビニ、スーパーで万引き事件が新聞であります。一概にその方、全員、こういう認知症を患っておられるわけではありませんが実際にこういった認知症状態を伴っておられる方がこの別人のように、今まで本当に優しくて本当にすてきな方であった人がまったく180度、別人のように見えたりする。実際、そういった症状でそういった犯罪を犯される方もおられる。そういった症状が引き金になって起こす前頭側頭型認知症というのが大きな特徴になっています。行動上の変化としては我が道を行く行動、先程の万引き、あと同じフレーズの反復ということで、よく同じ行動をする、家をでられたら、だいたい同じ道をたどってまた、帰ってこられる。また次の日も同じ時間帯に同じコースをたどられたりするということがあります。以上、この四つが代表的な疾患ということで本当は沢山あるんですけども、大体、大きな特徴だけ皆さんにぼんやりととらえていただければと思います。

で、肝心なところなんですが、確かに認知症の疾病を知っていただくことも大事なんですが私は今日はちょっとこのMCI というのを覚えていただきたいと思います。この MCI 、これは何だということなんですがこの MCI、軽度認知症機能障害といいます。実はこれは日常生活動作は正常で、全く問題ありません。で、全般的に認知機能も正常です。ただし、年齢の影響のみでは説明できない記憶障害が存在するということです。つまり、「認知症になる一歩手前」「認知症の前」と思ってもらえればいいと思います。この MCI という方が実は認知症の方以外に実はいらっしゃるんです。ただこの MCIの方は認知症ではないというところがあります。Mild cognitive impairment 訳しますと穏やかで、そして認知、インペルメントが障害、欠陥ということで、この MCI を放置する、そのままにしておきますと5年間で約50%の方が認知症に進行するといわれています。ですから、一番良いのはこの MCI の段階で早くご家族、身内の方が気づいて何かしら支援をすれば、この5年間の間に約50%のところに入らないことも可能だよというところが実はあります。

前回、藤田副部長が話されましたけども、では実際、「我が国の日本の認知症の高齢者は」というところでお話が重複するんですが、古いデータですが平成24年では約462万人、こっからなんですがこの MCI軽度認知症機能障害の方も含めますと約400万人と言われていますがこの400万人の方も含めると65歳以上の約4人に1人が認知症、もしくはその予備軍というところなんです。要は誰もがなる病気なんだよ、ああ、もう、そういう国民病になってるんだよというところになっております。ただこの MCI の方を除けば約7人に1人というところでございます。

2025年というのが新聞などでも取り沙汰されているんですけれども、平成37年今から9年後なのですが、推定ですが認知症の人が約700万人前後まで膨れ上がるんじゃないかな、というふうに言われております。700万人、結構な数だというふうに思います。

そして、65歳以上の高齢者に対する割合は、約5人にひとり。

このMCIといわれる方を含めると、実は約2人にひとりが認知症、もしくはその予備軍というふうになっているんですね。

別に「ああ、そうなんだ、そういう時代なんだ、認知症はすぐそこまできているんだ、どうしよう」と皆様方に思ってもらうためにご説明しているわけではなくて、180度反対なんです。

誰もがなる認知症の時代になっているんだ、もしかしたら自分が、家族が、身内が、というふうに感じていただけたらなと思っております。

決して認知症になりたくないというのは僕自身もそうなんですけれども、時代はそうじゃないんです。今も誰もが認知症になる、そういう時代がすぐそこまで来ているんだなというふうに感じていただきたいと思っております。

ただ国のほうも宇治市のほうも、何も手を打っていないわけじゃないんですね。

その対策として、宇治市は平成25年に認知症の早期診断・早期対応モデルとして「認知症初期集中支援チーム」というものを、全国の14市町村の中の1市町村として、宇治市のほうはモデル事業を行なっております。

この「認知症初期集中支援チーム」、細かい話はですね、少し割愛するんですけれども、認知症に「おや?」と思われた方に対しまして、こういったチームが適時適切に、あまた迅速に関わらせてもらって、先程言いました早い段階で支援をさせていただくチームのことでございます。

国のほうもそういったチームを平成30年度には日本全国すべての市町村で実施するというふうに決まっております。

先程もお話しましたけれども、「認知症初期集中支援チーム」というのは、速やかに適切な医療、介護等が受けられる初期対応の専門チームのことでございます。

このチームは、かかりつけのお医者様とも連携しながら、また認知症に対する適切な治療に繋げながら、なるべくご本人様のご自宅での生活を自立をサポートして行なうチームでございます。こういったチームが、実は宇治市にあるんですね。そういったことも皆様方に今日知っていただきたいなあということで、ひとつシートを入れさせてもらっております。

これも前回とお話が重なるんですが、宇治市では「認知症の人にやさしいまち・うじ」という宣言を、平成27年3月21日に宇治市長の山本正が宣言されまして、宇治市が旗をあげて全力で取り組んでいこうよという活動もされております。

少しお話がありましたとおり、宇治市のほうではたくさんの地域の方にもこういった草の根的な活動も、今取り組んでらっしゃるところでございます。

これがそのときの新聞なんです。平成28年3月21日に第2回認知症フォーラム、第1回第2回、そして来年にも第3回認知症フォーラムが予定されております。

この辺は割愛させていただきます。

一番身近なところなんですけれども、「れもんカフェ」というのがあるのですが、これは認知症の方の、当事者の方が気兼ねなく情報交換したりとか、はたまた認知症の当事者の方が気さくに自分たちの思いを話せる場が、実はこの宇治市にはたくさんあります。

各地域包括支援センターには必ずひとつ、「れもんカフェ」、認知症型カフェというのがあるのですけれども、こういった「れもんカフェ」というのも、実は宇治市にもあるんだよ、ということもよければ皆様方にも知っていただければ本当にありがたいかな、というふうに思っております。

当事者の方はこういった「れもんカフェ」を通じて、自分の思いを語られて、「れもんカフェ」の中で地域の方とも繋がって、認知症になっても地域の中で安心して暮らしていくことができるというところにまで、今、支援の輪は伸びているところでございます。

最後のスライドになるんですけれども、じゃこれからの社会は、ということになるのですけれども、住みなれた地域でいつまでも安心して暮らしていくためには正直今日皆様方に答えをお伝えすることはできないんです。先程少しお伝えしました、「自分の身の回りに、自分の家族に、自分のお友達に、ちょっと気になったな、どうなのかな」と思ったことがありましたら、お近くの地域包括支援センターに、もしくは認知症コーディネーターのほうにご一報、ご相談をしていただけたらな、というふうに思っております。

少しでも地域の認知症の人達が、これからは自分たちの住んでいる場所で、自分たちの思いをしっかりと伝えられる、そして発せられた言葉を地域の方々もしっかりと受け止めて一緒になって認知症の人と住みやすい宇治のまちを作っていきたいなというふうに思っております。

今日の卓話はこれで終わらせていただきたいと思います。ご清聴どうも有難うございました。

大石会長から

皆さん少し時間があるんですけども、何か、ご質問があるようでしたらお願いしたいと思います。これからますます多くなっていくであろう人たちに対して、どのように接して良いのかということもあると思います。なかなか、その当事者を前にしてお話するのはすごくむつかしいと思います。実際、その人たちを家族が傷付けないように、上手に、丁寧にお話してあげるということが一番大事なことだと思うんです。そのために、こういう勉強をさしていただきまして、対応の仕方について勉強していただいたらいいかなと思いますし、いずれは今のように高齢者になって行くにつれ、認知症も多くなると思います。まあ、いつ自分がなるかどうかわかりませんけども、まあ、そのへんの予備段階として、そうならないように、だから、まず、健康で長生きということですので、認知症も含めて病気にならないようにしていただくには日頃から手足を使い、頭を使い、しっかりと討論して元気で行くということが一番大事やと思います。何か質問はございませんか。

(質疑応答)

中島会員

Q「認知症初期集中支援チーム」がどういったことを具体的にやっているか?

A 認知症コーディネーターは「認知症初期集中支援チーム」にも参加しております。

流れから申しますと、各地域で「ちょっとこの方、いつもと違うな?」という情報が、地域包括支援センターに上がってくると、「認知症初期集中支援チーム」にあそこのおじいちゃん、おばあちゃんを見に行ってください、という依頼があります。

そのときに「認知症初期集中支援チーム」は医療職と介護職、のペアでご自宅を訪問しまして、実際にその方の状態を確認します。

「認知症初期集中支援チーム」の一番の特色は、認知症の専門医に迅速に繋げることが可能であるということです。

だからといって、必ずしもすぐ専門医に繋げるわけではなく、長い時間をかけてヒアリングをしたり、アセスメントをしたうえで、支援を実施します。

通常のケアマネージャーとの違いは、迅速に対応すること、いろいろな関連機関に繋げることができることといったところです。

「認知症初期集中支援チーム」がかかわる対象者も決まっておりまして、「初期」というのはケアマネージャーや医療期間、介護保険を使っていない方が対象になります。

つまりどこにも繋がっていない状態の人に対して、専門のチームがなるべく迅速に対応し、担当の部門に繋げるのが「認知症初期集中支援チーム」の大きな特色です。

北島会員

Q当事者が受診をしたがらない場合の対応はどうすればいいか?

A「認知症初期集中支援チーム」が関わったからといって、すぐに完全な支援の段階につなげられるものとはいえません。

家族、身内が心配されて呼んでいただいたときに、当事者が「認知症じゃない」と「病気じゃない」とおっしゃるケースは結構あります。

一番大事なことは、認知症について正しく理解していただく。

当事者だけでなく、家族や身内にも、認知症に早めに気付く、早めに対処することで進行を遅らせたり、緩和させたりすることが可能になる、ということを説明します。

決して無理強いや誤魔化して病院や専門機関に繋げるのではなく、当事者、家族、身内にも正しく理解してもらうように説明、説得させていただくのが一番だと思います。

藤森会員

Q自分がMCIかどうか、簡単にわかるものなのか?

A周りの人が「ちょっとどうなの?」とか、「最近おかしいな?」とか、「ここにおいたリモコンなくしている」、というような心配が少しでもあれば、かかりつけや知り合いの専門医に相談されるのがベストだと思います。

高橋権也会員

開業医の立場からひとこと

◎ MCIのしっかりした診断基準はありません。年齢と共に現れる物忘れとや判断能力の低下との区別は大変難しい。私は日常の診療現場で重症の認知症をたくさん診ており、悪戦苦闘している周囲の方々と日常的に接していますので、MCIの人に接してもこの程度は大丈夫だと思ってしまします。付け加えればMCIを厳密に診断することは意味がなく、本人や家族がおかしいと感じて相談に来られたら、積極的に支援チームのプログラムに参加するように勧めたら良いと思います。

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