「薬剤師という職業」

井上 佳子

今回の卓話のタイトルは「薬剤師という職業」ですが、私自身の今に至る経験をお話させていただきます。

私は両親が薬剤師であり、とりあえず、薬剤師の国家資格をもっていれば、なんとか、女性でも独りで生きていけるという両親の勧めもあり、特に研究をしたい等の強い思いもなく、薬学部に進みました。その当時、今ほど、医薬分業率が進んでおらず、調剤薬局も多くなかったので、就職は製薬会社にし、MRをしていました。そのころ、どんどん、病院の門前や、医院・診療所の門前に調剤薬局が開設され、MRとして、Drの訪問に加えて、調剤薬局も訪問することも仕事でした。その訪問先の調剤薬局の薬剤師さんは狭い空間で、どんどん増えていく処方箋の薬を作るのに、精一杯で、あまり、楽しそうに、活き活きとお仕事をされているように見えなかったのです。(あくまでも私の主観です)そんな中、私は、結婚を機に会社を退社しましたが、結婚生活も長く続かず、また、独身に戻り、実家の薬局を継ごうか迷いもって、生きていく唯一のすべである調剤(保険)薬剤師として、6年前から働きだしました。6年前にやっと、薬剤師の資格をちゃんと使って仕事をし始めたわけです。昔、大学を選ぶ際、薬剤師の国家資格をもっていればなんとか生きていけるという両親の意見を痛感している次第です。まだまだ未熟な調剤(保険)薬剤師ですので、実家以外の薬局でいまだに勉強させていただいていますが、今は、薬というきっかけを通じて人と人が通い合う、地域に根差した自分なりの薬局をしたいという気持ちです。私がMRをしていた約15~20年前の時代とはちがい、幸い、薬剤師の活躍の場がどんどん広がっています。特に今は、患者さんのご自宅に伺い、お薬の管理をさせていただくことで、その患者さんの人生に関われることの意味合いや重みを感じています。私は薬剤師という職業を通じて奉仕することが自分の一番の居場所であり、やりがいです。

《medical representative》医薬情報担当者。薬 についての知識や情報を医師や薬剤師に提供する製薬メーカーの営業担当者。

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