職業奉仕はロータリーの根幹か?

2018.1.25 

地区職業奉仕委員長

中島健

皆さんこんにちは、1月は職業奉仕月間ということで吉田委員長の方から職業奉仕について話をせよということで卓話をお引き受けすることになりました。今日お話する内容というのはいわゆる職業奉仕として皆さんが期待されるような、多分内容ではありません。

まずタイトルが職業奉仕はロータリーの根幹か?というこれは職業奉仕を馬鹿にしたようなタイトルで、自分としても非常にこれは自虐的なタイトルだと考えています。1年前、ロータリーの友1月号に関東のほうのパストガバナー、本田博己さんという方がこのタイトルで投稿されています。最初、それを見たとき、私はこれ何ということを言うんやろ、この人はと思ったんです。最近のRI のあり方とかを見ていますとどうもちょっと職業奉仕という言葉の意味をきちんと整理しないと非常に混乱するというふうに思い始めまして、そういうふうに考えていきますとこの本田さんの考え方というのが非常にすっきり来る。地区の職業奉仕委員長としまして昨年7月にクラブの職業奉仕委員長さんを集めまして研修会をやったり、或いは8月9月10月、京都福井奈良滋賀で新会員さんを対象に職業奉仕の話をさせてもらったんです。その時に私が申し上げていたことと今日の内容は若干ずれます。これはどういうことが転向なのか、じゃなくて、これは所謂変節ですね、そういうふうに整理できるかと思います。まず最近ロータリーのベテランの会員、日本のロータリーですね、シニアーリーダーがつぶやかれていることですね、RI と日本のロータリーとの意識のギャップを示す例として、 RI は人道的奉仕に傾く傾きすぎている。それから会員増強は人頭分担金を取るためだ。或いは2016年4月の規定審議会の決定による柔軟性の導入はロータリーの原則を崩すのではないか。そしてまた、RI は職業奉仕を忘れている。こういうつぶやきの声が聞こえてくるんですね。これに関する答えはちょっと私の方から申し上げられない。

今日は職業奉仕の話なので職業奉仕に限定して話をします。今から五つほど質問を挙げています。このいい分にイエスだという方は挙手をお願いします。

1・職業奉仕はむつかしい

2・職業奉仕がロータリーの根幹だ。

3・ロータリーはアイサーブである。

4・シェルドンの「最もよく奉仕する者、最も多く報われる」は職業奉仕を表す言葉である。

5・ロータリはボランティア団体ではない。

ありがとうございます。実はこの答えは、答えというのか、最近の RI といういうのを考えますとこれはみんなNOになるんですね。私もこれは多分 NOだろうと、いろいろ勉強するとそういうふうに傾いていきました。

ロータリーはボランティア団体かということで、ちょっと最近のロータリーのテーマをみますとまず2017-2018年度、今年です。ロータリーに変化をもたらす。昨年、人類に奉仕するロータリー。それからその前、世界へのプレゼントになろう。それから2年ほど飛びますとロータリーを実践し、みんなに豊かな人生を。もうまるでロータリーが世界を変える人道的奉仕を行う慈善団体だと言っているのと同じなんです。

地区のほうは2018-2019年度が間もなく動き始めようとしています。ちょっと1月の中旬に国際協議会がありましてガバナーエレクトがみんなサンディエゴーに集まりましてRI 会長から今年度はこういう形で行くよと言う話、いろんなセミナーを受けてガバナーになる勉強をして帰ってこられます。そこで新しい2018~19年度の RI 会長のテーマというのが出ました。ご存知ですか。Be Inspiration.インスピレーションになろうという、ちょっとわからん日本語訳がインスピレーションになろうと言ってますので、そういうテーマだそうです、来年。大川さん頑張ってください。それを受けて今週末、1月27日に第1回の地区研修セミナーがあります。ガバナー補佐とか、地区委員長とかが集められてガバナーの来年度の方針を聞きます。そして、そこから1ヶ月後、2月の終わりに今度は第1回の地区合同委員会がありまして全地区の委員会が一堂に会議をやって、その後、各地区の委員長が今年度の方針を発表します。その後、大川さんが3月中旬にペッツ、会長エレクト研修セミナーに行かれます。それから、クラブの理事さんとかは4月中旬、来季の地区研修セミナー地区協議会が国際会議場で行われます。そこで地区の方針がすべて徹底される、そういう流れになります。Be Inspirationというテーマを受けて中川ガバナーエレクトが今度どのように話しされるか、楽しみなんです。

ロータリーはボランティア団体かと言うお話で、これはビチャイラタクル元 RI 会長、この方はわりと心情的に日本のロータリーであったり、或いは日本の思想、奉仕を大事にするとか、そういうところに心情的に非常に近いのですが日本のシニアのリーダーを中心にラタクルさんを尊敬されている方が沢山おられます。そのラタクルさんが言っています。ロータリーは全員が報酬なしによりよい人間社会の実現のために働く奉仕団体のボランティアであるということなんです。そういうことでロータリーがボランティアになっているということです。

ここからが本題に入ります。ロータリーのモットーと言いまして、第2モットーが「最もよく奉仕する者、最も広く報いられる」第1モットーが「超我の奉仕」Service Above Selfですね。第2モットーは職業奉仕、Vocational Serviceを表している。第1モットーと奉仕の理念The Ideal of service というのが人道的奉仕であったり社会奉仕を表す。知っているという方が圧倒的に多いんです。果たしてそうなのかということです。初期のロータリアンは二つのモットーを奉仕の理念の意味を示す同義の言葉として理解し、二つのモットーを一体のものとして見ていた。シェルドンが1921年、エジンバラ大会で発表したスピーチの原稿、ロータリーの哲学ではモットーを一つのモットーとしてService Above Self  He Profits Most Who Sevice Bestと一体化した形で示していまして、ロータリーのサービス哲学の真髄をこの一つのモットーの中のService Self profit という三つの概念の本質とそれらの関係を説明することによって浮き彫りにしようとしたというのがあります。それから、その2年後、決議23―34、奉仕理念の定義です。このロータリーのいろんな文章がある中で唯一公式に奉仕理念、奉仕の理想ですね、これを定義しているのが23―34なんですね。ロータリーは基本的には一つの人生哲学であり、それは利己的な欲求と義務及びこれに伴う他人のために奉仕したいという感情との間に常に存在する矛盾を和らげようとするものである。この哲学は超我の奉仕の哲学であり、これは最もよく奉仕そのもの、最も多く報いられるという実践的な倫理原則に基づくものである。で、結局、そのロータリーの奉仕理念というのは利己と利他の調和の哲学であるということになるわけです。もうちょっとわかりやすく言うと2つのモットーを1つの主張として捉えるとその真意というのはサービスを自己の利益や都合を優先させよう。それから利益はサービスの結果である。相手の為に最善のサービスをすれば結果として最大の金銭的な利益と大きな精神的な満足が得られる。功利主義的な思想じゃなくて他者のために尽くすことが自らの幸せである。奉仕の理念の究極というのは利己と利他の矛盾なんかではない。利己と利他が完全に一致する。他人のために一生懸命やればそれは回りまわって自分の幸せにつながりますよというのがロータリーの奉仕の理念なんですね。だからこの奉仕の理念、“The Aideal of Service”というのは超我の奉仕と最も最もよく奉仕する者、最も多く報いられる。この両方が一つになってロータリーの奉仕の理念、奉仕の理想ですね、これを示しているという、そういうお話なんですね。だから、その第2モットーは職業奉仕をあらわす、そういうモットーではないということなんです.

サービスとプロフィットの関係

これはシェルドンの1921年のスピーチで出てきたことなんですがサービスが原因で結果が profit 、利益だ。で、そのサービスは正しい質、これは商品の品質であったり、値段であったりとかいうことですね。正しい量というのは豊富な品揃えであったり、豊富な商品量。それから行動様式というのは従業員の接客態度であったり、そういうのがサービスだということです。それが結果として利益、物質的な富というのはお金とか、或いはもの。それから仲間からの尊敬。そういうのを受けて自尊心。この辺が原因と結果の関係でシェルドンがいう“He Profits Most Who Serves Best”の意味なんですね。で、この時ですね、サービスをどういうふうに使っているかというとシェルドンは”Business Method” 正しい事業の方法としてこのサービスの意味を使っているんですね。それがシェルドンのお話なんですが1910年に全米ロータリークラブ連合会で初代ビジネスメソッド委員会の委員長に就任します。で、この時に初めてシェルドンはロータリーのところで“He Profits Most Who Serves Best”というこのフレーズを発表したんですね。このビジネスメソッド委員会というのが職業奉仕委員会1927年にできるんですがその前身であるというふうに言われています。今、そのサービスという意味、最初、シェルドンが使った時は正しい事業方法というそのぐらいの意味だったんですが今のロータリーにおいてはロータリーのすべての奉仕部門を通じてそのサービスをその最も広い意味でとらえ、使うようになっています。どういうことかというと人々の助けとなる社会に役立つ価値を提供すること。世の為、人のために尽くすことというのが現代におけるロータリーがいうサービスの意味なんですね。ということになります。で、じゃ、その職業奉仕、今、ここまで話をするのにシェルドンの紹介をした時もすべてその職業奉仕という言葉は使いませんでした。職業奉仕という言葉はいったい何時できたのかということです。それはベルギーオステント国際大会の目標設定計画というのが1927年に作られます。その時に初めて奉仕部門、Avenues of Serviceができるんですね。だからそれまでのロータリーというのはですね、もちろん社会奉仕とか、いろいろやっていたんですけども、初期のロータリーでは活動は例会に集まって、例会で皆さんと食事をして、いろいろ話をすること。それから例会の外で何かすること。その二つ分類で済んでいたんです。ところがだんだんとその活動が多岐にわたって複雑化するにつれて各々の活動の調和を図る必要性が高くなった。ということで奉仕部門というのができた。それはどういうことかというとクラブの管理運営を奉仕活動の実践に対応させ分類整理するというのが目標設定計画の目的なんですがこのとき初めて四大奉仕「クラブ奉仕、職業奉仕、社会奉仕、国際奉仕」というのができるんですね。だから職業奉仕という言葉が生まれたのが1927年のオステンド国際大会なんです。で、それはどういうことかというとクラブ活動の枠組みのために職業奉仕という言葉ができたんですね。だからシェルドンが言っていた“He Profits Most Who Serves Best”というのは職業奉仕じゃやなくて”Business Method”なんですね。クラブの活動を四つの奉仕部門に分けてこれに沿ってそれぞれ委員会を構成する。これによってクラブの組織と奉仕活動に整合性を持たせることができ、運営が円滑になった。以降、奉仕活動の実践に対応したクラブ運営の枠組みとして定着したということです。だから、もともとクラブ管理運営のための枠組みが4大奉仕部門。その後、ロータリーの発展や活動の変化に伴って枠組み自体が変わっても何の不思議もない。実際2010年の規定審議会で青少年奉仕が加わり、現在では5大奉仕となっています。2004年10月 RI 理事会で CLP が決定された。私が入会する前の年なんです。そのCLP に基づく部門別委員会構成が推奨され始めた頃、4大奉仕があるのだからCLP は不要であるという声が日本では非常に多かったんです。が、考えてみるとこの4大奉仕というのは90年前の CLP なんですね。

だから現在のロータリーの奉仕活動の多様性とか、そのようなものに応じて5大奉仕にした。だからそれが今の CLP だということですね。

それで今、現在そのロータリーの5大奉仕部門の一つとして職業奉仕というのがあります。標準ロータリークラブ定款第5条ですね、ここに奉仕の第一部門であるクラブ奉仕は何々しなさい、行動しなさい。アクションということを行っています。それから第3部門である社会奉仕は取り組み“efforts”という言葉を使っています。それから4番目、国際奉仕はクラブの活動であったり、プロジェクトであったり、プログラムであったり。そういう言葉を使っています。5番目、青少年は活動、プロジェクト、プログラム。そういう言葉を使っていますがずっとですね、職業奉仕のところだけクラブで何かやれとか言うことはなかったんですね。それが2016年4月の規定審議会立法案16の10で奉仕の第2部門を改正する件というのが採択されまして、今、当クラブも採用している5大奉仕部門のところにこのマーカーで示している、そして自己の職業上の手腕を社会の問題やニーズに役立てるためにクラブが開発したプロジェクトに応えることが含まれる。要は自分の職業上の技能とか、そういうのを使って奉仕活動をやりなさいと言うことを職業奉仕のところで定義したわけですね。この改定によって5の部門すべてがクラブの活動の枠組みである。 RI が言う職業奉仕というのは所謂その活動のための理念とか、倫理とかじゃなくて活動のためクラブが何かするための枠組みなんですね。では世界のロータリーが考える職業奉仕というのはどんなのかというと奉仕プロジェクトの1小委員会としての職業奉仕ですね。

職業奉仕入門という RI のテキストがあります。そこに書いてあること。行動しようとして職業に関連する親睦活動グループに参加したり、新たにグループを設立する。奉仕プロジェクトで職業スキルを生かす。地域社会でロータリアン以外の職業人とのネットワークを広げる。求職者を対象としたキャリア相談を行う。若者を対象とした進路指導を行う。これが、だからRIが言っている職業奉仕、クラブがやらないといけない職業奉仕の活動であるとこういうことを言っているんですね。あと、2013年版の手続き要覧の89ページに職業奉仕月間の定義が載っています。地区行事でのボランティアの表彰。ロータリー親睦活動への参加の推進。職業奉仕活動、またはプロジェクトの実施。未充填の職業分類に焦点を当てた会員増強の推進。ということで全然この皆さん、そして私も考えていた職業奉仕とはかなりかけ離れているんです。ですから世界のロータリーは自分の職業上のスキルを生かした奉仕活動は個人が行うものであれ、クラブが行うものであれ、すべて立派な職業奉仕だといってそれを活発に実践しているんですね。だから今年度の RI会長賞もこういうことに関して表彰するよと久しぶりにそのRI会長の言葉から職業奉仕というのが出てきたんですが内容はこういうことだったということなんですね。

で、日本の職業奉仕論というのは職業倫理論、ただそれを軽視しているかというと決してそんなことはなくロータリーは今も昔も職業倫理を大事にして登場する集団である。1915年全職業人のためのロータリー倫理訓、道徳律です。それからロータリーの目的、職業上の高い倫理基準を保ち……というのがあります。それからロータリーの行動規範。個人として、または事業において高潔さと高い倫理基準を持って行動するというのが謳われております。

次のことが今日一番言いたかったことです。

職業奉仕ではなく奉仕の理念を語ろう、奉仕の理想を語ろう。職業奉仕という言葉で奉仕の理念の職業への適用や自身の職業観について語ることを一旦止めてみる。それからクラブ活動の枠組みである5大奉仕部門の第2部門である職業奉仕の活動に対してのみ職業奉仕という言葉を使う。そうすると割とRI が言っていることがすっきりとなじむんですね。何でそうなのかというと奉仕の理念が、これがロータリーの根幹だ。奉仕の理念“The Ideal of Service”という言葉でロータリーの理念について議論を深めていきましょう。なぜなら奉仕の理念の奨励、育成がロータリーの目的だからということになります。

2017年6月のRI の理事会で衝撃的なことが決まっています。要は地区の委員会構成で職業奉仕委員会と青少年委員会を廃止する。廃止して、そして社会奉仕委員会にその機能を任せるという、そういう理事会決定があります。これが行われるのが2019年の7月。ですから佐竹さんがガバナーになられる年度になるんですがそういうことを推奨している訳であって、必ずしもそうしなければならないということはないんですがとにかく世界のロータリーというのはそのように今動こうとしている。2019年4月の規定審議会でいろんなことが決まります。その中にはひょっとしてあっと驚くようなことがいくつか出てくるんじゃないかと思われます。ただ大事なのはRI はどんどんそういう方向に行ってしまう。もうロータリは見捨てなあかんというような話ではなくて世界で第3番目のロータリーの人口が多い、ロータリアンの多い国ですので、要は自分らが発信して日本人が大事にしてきた職業倫理とか、そういったことを規定審議会に挙げて、それをもっと大事にせよ。もっとそういう方向に行こうよというふうなことを言わないといけない、そういう段階に来ているのかな。この1年感じました。以上です。どうもお粗末でした。

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