建築士という職業

2018.5.10

橋本一級建築デザイン事務所主宰

橋本光生

大勢の前で話すということはあまり慣れてないものですから多少いろいろとトチリがあるかもしれませんが、今ご紹介に預かりました藤森さんとは同級生でいつも仲良くさせていただいております。もともと私の方は設計事務所をやっていたわけではなく、ハウスメーカーのほうに長年、27年ほど勤めておりました。その中でいろんな建物の話であるとか、ハウスメーカーといっても建設関連もやっとりました。営業もやったり、工事もやったり、当然設計もやったり品質管理を行ったりということをしておりました。その中で50才を前に、43歳ぐらいの時にそろそろ、自分の第3の人生をやりたいなということがあって、一念発起をして独立を致しました。おかげさまで人の繋がりというか、人の交流おかげで今に至っております。本日は藤森さんから建築に関して話してくれということだったので、今日は建築士という職業についてどういうものかを話させていただきます。

先ずは建築士っていろいろな事が言われると思います。建築士というのは基本的に建物関連と限定していただいたほうがいいと思いますが建物の設計とか監理が主です、あと、建物調査というのが抜けている方が多いですね。それら等を、その人の名前、例えば橋本なら橋本、藤森なら藤森という名前で建築士免許の名に置いて行う業務や行為の規模に関連して必要な国家資格でございます。内容としては建築士は独占職業になっておりまして、建築士でないとできない仕事というのは多々あります。建築士の仕事は、過去に置いて大きな問題になりますので、しっかりとした免許制度になっているということです。建築士の免許はいろいろございまして、中でも行える建物の大きさ、例えば高さ、階数、面積によっていろいろあります。それによって免許の種類が異なってきます。一般的にあまり聞かれたことはないと思いますが先ずは木造建築士、こちらは国家資格の中で都道府県知事の許可で基本的には木造建築物と決まっています。ですので最近ハウスメーカーさんの2階建てで、鉄骨構造の○○ホームさんとか○○ハウスさんとかいうのは、木造建築士免許では設計や監理できない様になっております。基本的に木造ということになります。

では、この木造建築士はなぜ有るのか。そんなに歴史は古く無いんです。なぜ出来たかと言うと、例えば宇治とかに有ります様に、古い伝統建築の大工さんたちが、設計をしたり、管理をする時に誰か建築士さんにお願いをしないといけないということが必要だったんです。然しながら、伝統建築とかは建築士として経験が必要なんですが経験が無いことが有った場合に、現場の方との意志疎通が出来き難い、本当はこの様に納めなければ成らないんだけども理解出来ないとか言う事が有ったので、木造建築士制度というのを導入した形になります。一部地域によりますと神主さん依頼の神社仏閣をやる棟梁(宮大工様)は民間の建物をやると手が汚れるのでやらないという方もたまにはおられるようでございます。そういう方は是非に必要だとの事で、取得されております。

現在、木造建築士は非常に広まって来まして、学生さんが二級建築士の前に取ろうということも増えてきているのが現状でございます。現在では木造建築士はかなり多い様です。

次に昔からあります二級建築士、同じように都道府県知事の免許になっておりまして、木造だけではなくて小規模な鉄骨や鉄筋コンクリートとか、高さが13m以内の建物とか、軒高9m以内が設計できます。延べ面積は木造は300㎡までと決まっておりますので、だいたい90坪ぐらいですね、100坪はちょっと無理なんですけども、だいたいそれぐらいのものを設計出来ると言う物に成って居ります。

最後に一級建築士というのがありまして、国土交通省、国土交通大臣に免許を貰うという形になりまして、私たちは一級建築士は東京法務局に登記をされています。設計できる大きさは特に指定はありませんよと言うものになります。    

その他に耐震偽装問題がありました。あれが出たことで一級建築士といってもだめじゃないか!と言う話が沢山出て来ました。更に、大規模建築で行きますと建築設計、構造設計だけではなくて設備設計というのが非常に重要になります。配管のダクト配管だとか、各種配管とか将来に改修に必要になってきます。そこで構造設計の為の構造一級建築士というものが必要でございますし、それとあわせて説部設計の為の設備設計一級建築士というものが創設されております。これはそれぞれ一級建築士を取得してから専門職に就いてかつ、実務経験を積み専門の試験を受けて取得します。まあ、建築士とは何?と言う事はこれだけ免許が多岐に渡り有りますよという事になります。

じゃあ建築士の職責は何かと言うとこれはちょっと若干恥ずかしいですが、こういうことを法文に書かれているというのは建築士ぐらいなんでしょうけれど、職責として、建築士は常に品位を保持して業務に関する法令とか、業務に精通して建築の質を向上する様にと言う事を、建築士法という法律の中に記載されておりますので、私共は日々勉強しなければいけないとは言われております。然しながら中々難しいところがありますし見ての通り、そんなに品位があるとも私達あまり思っておりませんので、頑張っていきたいなと思っています。

建築士制度の中のちょっと「よもやま話」なんですけども、いつできたかというと結構皆さんご存知ない方が多い様です。田中角栄が議員立法として国会に提出して昭和25年建築士法という制度が制定されました。法律に詳しいとか国会に詳しい方ですとよく言われます。なんで議員立法なんですか?。国の資格制度、普通は政府が国会に提出するべきでしょうという話がよくあります。これは当時の建設省が提出すべきなんでしょうけど、当時は昭和25年ですから戦後5年、 GHQ の占領下にあり法案成立にはGHQの承認が必要で、政府からすでに住宅金融公庫法案、今は住宅支援機構に変わっています。あとは建築基準法案、こちらを出しておりました。更に合わせて建築士法案を出そうとすると中々通らないんじゃないかということで、議員立法で建築士制度というのができております。

では、一級建築士の第1号は誰がなったか?ということはご存知の方おいでですか??。(シーン)。結構、巷では田中角栄さんが建築士第1号になったんだという話を聞かれることがあるかもしれません。実は一号ではないんです。通常は試験を受けてなるんですけれど、議員立法を出された田中角栄さん、実は1号ではなくて、「(公社)日本建築士会連合会」が発行する「建築士」に依りますと、議員立法で制度を作りました功労者ですから建築士をあげてもいいではないかという話があったのですが.実際は登録する事を忘れていたんですね、実際1号というのは正しかったみたいです。正しかったのですが本人が忙しすぎて登録するのをコロッと忘れてしまって実際登録したのは16989号と言うことで、かなり後の方ではあるということになっております。まあ実際は1号じゃないよということと議員立法の功労者ですので試験を受けずに免許は持ってますということです。

ちなみに合格率はどれぐらいあるかということですがだいたい一級建築士、建築試験は二つあります。学科試験と製図実務試験があります。それぞれ種類によって試験時間が違います。一級の合格率がだいたい全体受験者の10.8%、2級が24.3%、木造建築が40.1%が平成29年度のものです。

次に建築士の仕事は何をするんですか。仕事はよく言われるのは町のお医者さんです。町のお医者さんって何ですかというとお医者さんですと内科外科その他の方いろいろおられます。建築も全く同じでしていろいろなものを見ていかないといけないということになります。街のお医者さんということで行くとほぼほぼ多いのはやはり住宅、皆さんが日常使っておられる家、住んでおられるお家なんかのメンテナンスとか、古くなったお家の改修、それとか耐震診断です。地震が起きるたびに耐震診断をしてくださいという依頼は増えて来ます。地震が落ち着つくと診断はだんだんと減ってくるわけです。また地震が起きるとダーッと増えてくる。

あとは現況調査というのがあります。空き家ですね。皆様のおうちの周りにも空き家が最近増えてきていると思いませんか。人が住んでいない家とかが。そちらの状態をどういう状況かと見るようにしております。そのようなものの現状を見てまず把握する。そして、こうしたら良いよと提案する。その提案にそれぞれのライフスタイルとか費用という非常に重要な問題があります。それを考えてご提案を行い、建物が痛んで来ない様に配慮するのがお医者さんとしての仕事だと思います。建物に関しては大抵のことは知っております。

先月、4月1日から既存住宅を売買するときに今までは宅地建物取引業者さんの方で建物売買していたのですが、その際に今回からはその中の建築士の免許の範囲(一級、2級、木造)内に置いて建物を現状調査してその建物の劣化問題があるのか、ないのか調査したものを売買の時の重要事項を添付する制度が制定されております(任意です)。これによって建物売買したときにはこの家って大丈夫なのか?の問題を少しでも防ごうということで国の政策で法律が決定され、今年の4月1日から実際に実施されております。私の方も4月26日に一件ありまして、状況調査をして来ました。消費者様は既存住宅を流通に関して安心だと非常に喜んでおられました。

また既存住宅という名前がよく出てきます。皆さん中古住宅って聞かれると思います。中古車と同じように。でも中古というのは最近増えてきている名前ですのでちょっと呼び方を変えようということで中古とは言わずに今後は既存住宅という名前になってきております。

その他に、新築の時や改修計画の時の予算配分、どうしたら実現できるのか?、建物の形とか、耐震性ですね。計算しながら予算内に収めるアイディアを考えて居ります。

皆さんよく新築を作っている建築士が多いと思っておられると思われますが実は建築士の大部分は新築住宅とか、新築の建物はあまり設計したりしておりません。している方というのは本当に限られています。大多数はリフォームとか、改修、その他の調査をやっている人が多いです。他に構造計算専門の方も行います。

建築士の仕事の中で重要な部分に工事監理というのがあります。工事監理と工事管理。私ども最初の監理の方を下に皿が書いてありますのでさら(皿)かんといいます。もう一つの方はたけ(竹)かんとか、くだかんとかいます。こちらは実は法律上非常に重要なものになっております。さらかんというのは建築士の独占業務となっております。では何が違うかと言いますとさらかんというのは工事監理、現場を見て問題があるかどうかということを設計図書と照合するということを確認するというものです。こちらのほうをチェックして建築主、(注文主ともいいます。もしくはクライアントともいます)に対して正しく仕事をしているかをチェックして報告するのが建築士のさらかんの仕事の内容です。こちらは法律的にも決められている関係上、きっちりとやらなければ当然、罰則規定もあります。

次に、くだかんとは何かというと要するに建築士の免許を持ってない方です。会社に入って1年とか、2年目とかで免許を持ってない方とか、現場を管理する、お金、支払い。施工業者さんの番頭さんの感じです。現場の品質管理がさらかん。たけかんの方はそれをサポートする、工程管理や安全管理、原価管理を行う方をたけかんということになります。ただ、この違いたけかんの方は施工業者さんの番頭さん、責任者となっておりますので、現場では、お金の管理が非常に必要なんです。工程管理とか、そちらのほうがたけかんの仕事となっております。どちらかというとさらかんは建築主様側にの仕事をやっているという事になります。

じゃあ、お客様側に立っているのがさらかんの監理者で施工業者さんがたけかんの管理者です。

一例で、お客さんから設計者なら橋本に設計してください。工事は藤森さんにお願いしますということでお客さんが連れてきた施工業者様。では現場監理のほうは橋本君見てくださいね。了解ですということで現場監理するわけです。で、問題があったら当然橋本さんは藤森さんに指摘、是正勧告してくれるんですよねと?言う話を聞きます。これはよく問題になる話なんです。いや、一般の消費者からみると当たり前の話ですし、当然私も万が一間違っていたら藤森さんお願いしますねと言う話をするわけです。処が、藤森さんがいやいや何言ってるんだ、橋本くんが言ったって、そんなん俺は違う。これが良い、ということも有ります。この場合、私にその是正指示権限があるかというと実は権限がないんです。これはなぜないか?。法律上でお客様、要は施主様、もしくは建築主様と私とは設計監理契約というのを行うわけです。業者さんと私とは別に契約関係がないわけです。業者様とお客さんは直接に請負契約関係になっております。その場合はどういうことになるかというと建築士と施工業者は直接の契約関係がない為、指摘に従わない場合、私は建築主に施工業者さん、指摘に従っていただけませんと建築主に報告し、建築主から施工業者さんに言っていただくという流れになります。これは実際の法律の流れですし、それを越権するとやはり非常に大きなトラブルになりますので、こういうふうな仕事になっているということを覚えておいてください。結構この辺りで建築士はなぜやってくれないんだとか、そこまでやってくれると思っているということは結構多いです。これに関する問い合わせが結構あります。

次に実際によく聞く話、よくチラシとかに設計士があなたの満足する家を設計しますとあります。建築士と何が違うんですか?と問い合わせが来るわけです。設計士が設計するわけですから建築士と何が違うかって聞かない人も多いですけどもまあ、何が違うかっというと、ハウスメーカーとか、デザイナーズハウスにいる設計士というのは建築士という免許を持ってない方がいます。で、建築士というのは士ですから士制度、国家資格ですので設計者とか設計士とかというのは特に資格がありませんし、法律もありません。ですので簡単な講習やこのようにプランを変えたらいいよとかを教えられて私は設計士ですという人は多いんです。ハウスメーカーではすごく多いんです。最近コンプライアンスが入ってきましたので少し減ってきましたけども、それでもやはり1年ぐらい実務をやっていて建築士の勉強をしている人が設計士ですと名刺に書いて設計をやっている人が多い様です。

これが悪いというわけではないと思いますが問題があります。知り合の方などで住宅の設計をお願いする時にするのに、設計士としか名刺に記載が無かったら一度「建築士免許は?」と聞いてもらった良いかと思います。

実は設計士だけの方の大多数は若い方が多いので子育ての経験がないとか、家事の経験が少ない方もいますので、やはり水廻りの設計とか、収納力や仕舞い方提案が不足する事も有ります。経験が付いてきますと、自宅にお邪魔した時にその家のリビングまで通る間に部屋をさり気無く見ることによって、この家は荷物が多くて物が出ているのか、ちょっと収納の不足や仕方が苦手で荷物が出ているのかの判断するくせが結構つくんです。で、それの経験がない方はわからないわけです。そうすると出来上がってよくモノがあふれて、収納が不足しているから家が汚いなどと言う問題が出てきたりとか、子供さんと一緒に子育て経験がない方だというのは結構子供さんに危ない家というのができたり「デザイン優先の為」して、だいたい完成してまたこれも問題になってくる場合もあるんです。そういうことがありますのでちょっとそこら辺は注意されたほうがいい。

之もよくある話ですがメーカーでプランが決定しました。設計士とご家族で夢の家図面ができました。図面ができましたと言った後に、じゃこれを建築士さんにお願いして確認してもらえますね!といきなり言われることが多いようです。特にローコスト住宅と言われている会社はよく聞きます。これはどういうことかというと皆さんと夜も遅くまで家族で会議して決めたもの。こちらの思いでやっと決めた家なのに。設計士に構造的に安心かどうか聞いてみますと言われた後に、いゃあ、すみません。ここは壁が必要なんですよとか、いや、ここはちょっと窓を減らさないと耐震性が足りないんですよ。地震に弱くなるんですよと言われることがあります。やっとの思いでまとめ上げたのに、それはちょっと問題点だろうということでトラブルが起きてくるということがあります。建築士の免許を持っていたら防げた問題ですね。

これから建築士というのはどんどん仕事が増えて来るであろうと思います。先程の既存住宅の現況調査、こちらの方がこれから増えてくるということで私の所属している建築士会であるとか、宅建業会様と合同でいろいろ勉強をやろうとしております。

最後に成りますが、昭和56年5月31日以前に着工している家、こちらのほうに関しましては耐震診断が今年もあります。改修金額は昨年にプラスして宇治市、城陽市にお住まいの方は90万円まで出ましたがプラス10万円で100万円の改修費用が出る予定ですので、ぜひぜひ市役所に申し込みに行ってください。一般市民の方は3000円で調査もしてくれるし、改修計画も立ててくれると思います。またリフォーム提案できることもありますし、いろいろと相談していただければ良いかなと思います。

建築士としてはこのような仕事でまた何か機会がありましたら実際の現場に行ってこんな問題があったとか、あんな問題があった、いろんな事がありますのでまた呼んでいただければと思います。以上です。ありがとうございました。

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