2030年世界はこう変わる

2018、8. 2   

~米国国家情報会議編~

松吉 要造

ご紹介いただきました松吉でございます。本来、こういうところでお話できるような資格はないのでございますけども、ある勉強会で林先生とご一緒でございまして、林先生には私.「借り」がございまして、言われたら「はい」と言わんといかんようなことがございます。こういう場に招かれて非常に恐縮しています。テーマはその勉強会の時に、ちょうど5ヶ月ほど前にお話、この勉強会は順番でございますのでお話したことを もう一度ということでございます。実は「2030年、世界はこう変わる」こんな本がございまして講談社から出た本ですけども、年甲斐もなく この度は先 どうなるやろうな とか、技術的なこと、或いは社会的な現象だとか、いつも関心があるほうでございまして、本屋でこういうものを見つけたんもので読んで見たら面白かったので、勉強会のメンバーにお話しましたことを今日、お話させていただくことになったのです。あまり時間がございませんので随分端追った、お話というよりも、この本のポイントだけ抜粋させていただきたいと思います。

で、この本は米国国家情報会議というアメリカの情報機関が世界のこの先について分析した本でございます。このレポートでございますが これは簡単に申しますと大統領に世の中、こうなるよという報告、レポートをまとめたものでございます。多分これはオバマさんの時代にオバマ大統領が読まれたのではないかと思います。今のトランプさんはこんなレポートを読んだらけとばされると思います。そういう内容でございます。で、項目といたしましては大きな流れⅠⅡⅢⅣとあり、まず世界の流れについてお話しますと言うよりもご案内申し上げたいと思います。

メガトレンドⅠ

個人の力の拡大

世界で起こることの最大の問題の一つは個人の力の拡大ということです。

貧困層が激減してアジアを中心に16~20億の新たな中間層が生まれてくる。中間層というのはある種の所得を持った人ですね。中間層が誕生するであろうし、今後15年から20年間に世界が直面する多くの課題を解決する上で個人の力の拡大という要素はとても重大な要素になるだろう。一方では小さな集団が多量の人の命を奪うような破壊的な技術を手にする危険性もある。個人の力が拡大することで、貧困層の縮小が進み、世界的に中間層の劇的増加がもたらすであろう。個人の力が強まるが中間層の拡大は国際的に構造的な変革をもたらし、個人の力は強まるが職を得るための競争が激しくなり、多くの人が将来や政府への不安を抱えた状態になるのではないかという懸念もあります。

貧困層は5億人減る

また貧困層は5割減る、5億人減るということです。現在世界で約10億人が極貧と言われる状態で栄養失調であると言われています。一日の収入は1.25ドル以下を貧困と言っている。150円ぐらいと言われていますが貧困層の減少は東アジア、特に中国で顕著におこっている。中国はどんどんと沿岸部から農村部で貧困者は減っている。また 南アジア、中東、北アフリカでも極度の貧困者が減少しているというのはご存知だと思いますが サハラ砂漠以南についてはこれからも貧困層は減らないのではないかとレポートは予測しています。

購買力が衰えていく米国と日本

このレポートで気になることの一つに購買力が衰えていく米国、日本、中間層の台頭は政治への影響を与える。

中間層が増えると民主主義を求める声が高まるとともにポピリズムや独裁政治が生まれやすくなる。しかし1人あたりの GNP が1万5000ドルになると民主主義が定着して独裁政治に戻る可能性はなくなると言われています。世界的な中間層の増加で米国や日本の中間層の購買力は世界的に見てとても小さい比率になってくる。どんどん比率が下がっていくということです。先進国の中間層は世界市場に職を求めざるを得ないがそこには台頭する新興国の中間層との戦いが待っている。北米や欧州の中間層の購買力は今後10年間、年率0.6%の伸びにとどまるがアジア開発銀行の試算によるとアジアの中間層の購買力は2030年まで年率9%ぐらいの伸びていくといい、アジアの中間層の伸びが非常に大きくなるということです。

なくならない男女格差

いろいろ最近でも問題になっている「男女の格差」ですがアメリカのこのレポートではあまり男女間格差の問題は解決しないであろうと見ています。特に北ヨーロッパでは随分と女性の社会進出が進んでいるわけですけど、やはり、ちょっとむつかしい問題があるではないかといっています。で、女性が政治に進出すると 議会や官庁に女性が増えると腐敗が減るという調査結果もあって、本来はもっと女性の社会進出が必要ではないかと言っております。

広がる外部との交流

これはスマホが世界的に増殖しているわけです。スマホの普及は非常に外部との情報交換が進むということになります。有線の固定電話は社会インフラの整備に巨額の投資が必要ですが、スマホということになりますとアンテナを引くだけでほぼいけます。非常に社会インフラとしては簡単なにものになりますのでその結果、アフリカ通信網は今現在アフリカ大陸でも65%の人が網羅できるぐらいになっているようです。

インターネットを使っていろんなことで外部との交流が深まるであろうし イスラム教の社会でもやはりこういうものを使う人が増えています。

人類はより健康に

エイズの問題だとか、それから感染症で死亡する人の激変で豊かな国との寿命格差があるけれども人類はより健康になるであろうと言われております。

   イデオロギーの衝突

不安材料ということで、これは非常に大事なことですけれど、今の世界というのはアメリカのスタンダードというか、世界の経済のグローバル化に伴い欧米流の考え方が世界のあらゆる分野に今後進行する。科学的な立証、個人主義、政経分離、法の順守などが欧米を代表する価値観です。西洋的な豊かさを求める非西洋国の多くがこの理念採り入れようとするだろう。今後新興国では従来の政治、宗教、文化などの価値観とグローバルスタンダードとしての価値観とをどういうふうに融和させ行くかということが大きな課題になると言われています。

メガトレンドⅡ

権力の拡散

この辺はちょっと気になるところだと言っています。アメリカをはじめ欧米各国の力が衰え、世界は覇権国家ゼロの状態になると見ています。で、2030年までに国際社会の権力構造が大きく変化する。発言力を持つ国家の数が増える一方、国家でない非公式な団体やネットワークの発言力が増す。1750年以降続いてきた欧米中心主義を反転させアジアは再び国際社会と国際経済の主役になることを意味する。GDP 人口、軍事費、技術投資の4点から試算した国力比較で2030年までにアジア地域としての力は北米と欧州を含めた力よりも大きくなる見通しである。2020年のどこかで中国は米国を抜き、世界第1の経済大国になる。相対的に低成長を続ける欧州

日本、ロシアの経済力は弱まるであろう。といっていますますが ある資料によりますとこれからアジアの時代だと言っています。オランダのグローニンゲン大学の調査で西暦1年(今年2018年)の世界の GNP はインドが33%、中国は26%、その他のアジアは17%で アジア全体で76%を占めています。ローマ帝国ですら11%であったと言っています。西暦1500年でも中国とインドで半分、西洋が歴史の頂点に立ったのはわずか150年前からだという。で、アメリカも同じような見通しを持っています。アジアが非常に強くなってくるのではないかという。その中で中国の覇権は短命ということです。アメリカは 2030年には中国の GNP は日本を140%上回ると見ています。但し、世界の経済大国の地位は意外にも短命になる可能性がある。中国の経済成長率は落ち込む一方で、インドが伸びるからです。中国の労働人口のピークは2016年に到来、中国9億9400万人を頂点に2030年には9億6100万人に減少、インドの人口のピークは2050年頃だということです。

抜かれる先進国で世界のトップがいつ米国から中国に交代するか、 GDP、人口、軍事力、技術投資、健康、教育、投機を使ったモデルデザインによると中国が米国を抜くのは2040年以降になる。こんな中で日本の国力はジリジリと低下していくことは見逃せない。今後、先進国は確実に弱まっていく。2030年頃には先進国と非先進国の力関係が逆転するであろうと言っています。これは前例なき覇権国家ゼロの時代ということで世界の次のリーダー国家がなくなってくると言う。中国、米国、EU 、ロシア、いろんなところ覇権国のような感じがしますがそういうもの一国で世界をリードする覇権国は消滅するであろう。その一方で国家でない団体やネットワークが国際社会での発言力を増すようになる 政府が独占していた情報がより民間の手に入りやすくなるためである。

メガトレンドⅢ

人口構成の変化

2030年には世界人口が83億人になる見通しである。2017年が72億人ですから随分増えるわけです。同時に2030年に向け、世界人口の平均年齢が上昇します。ここでも日本の事を言っています ポスト成熟社会は日本とドイツであるが2030年には欧州で東アジアの大半の国がこのポスト成熟社会に入ってくる。ポスト成熟社会では経済成長が停滞しがちで、年金や社会保障制度の効率化を通じて労働人口の生活水準を下げずに高齢者を支えるという難しい問題のかじ取りが求められます。このような政治課題を先進国を中心に持つであろう。それから移民の問題もあり、日本もこの移民については考えざるを得ない時に来ているわけです。

メガトレンドⅣ

食料、水、エネルギーの問題

食料、水、そして気象、特に気象変動が これが大きな要因になる可能性があります。人口が増えると食料、水、エネルギーが不足することになりますが2030年までには食糧需要が35%拡大する見込みである。しかし食料生産は減少になる。直近の10年間で1.1%減少するようである。さらにアメリカのトウモロコシなんかは石油の代わりに燃料に30から40%化けているようです。今後の気象変動の結果次第では乾燥地帯が増えて中東.北アフリカ、中央アジアの西部では乾燥地帯に入って食糧増産に非常な影響を受けるであろう。気候変動については非常に慎重に考えないといけないと言っています。将来人口の多い中国とか、インドの食料自給率に注目しておく必要がある。最近では中国、サウジアラビア、アラビア首長国などは積極的に国外の農地を買い上げて将来の食料不足に備える動きがあり、海外の土地を買っている。日本でも水源のところを抑えられているという話がないわけではない。そういった動きがもうすでに世界的に起こっているということです。アメリカのエレルギーについてはアメリカの専門家は石油はシエルオイル・ガス だとか、そういうものが増えて、まずまず30年ぐらいまでは問題はないだろうと見ております。

失速する中国経済

ここで触れておきたいことはやはり失速する中国ということで、高齢化の問題、現在65歳以上の人口比率が8%、2030年には16%になる。労働人口は直近の72%をピークに2030年には68%に落ちる。経済成長率の伸びの鈍化とともに国民1人当たりの収入の伸びも減速する。成長の鈍化とともに国民の不満が爆発する危険性が出ている。政情不安が広がると経済はうまくいかない可能性がある。

インドの躍進。

インドは15年から20年後に日本やドイツを抜き、中国、米国に次ぐ経済大国に成長すると思われる。2025年、中国とインドの経済力を合わせると世界経済の貢献度は米国とユーロ経済圏を合わせた規模の約2倍になる。中国、インドも国内の貧富の問題を抱えているがインドは民主主義が確立されているので大きな混乱はないであろうとレポートでは見ています。従ってこれからはインドが大きく発展するのではないかと思います。時間が来ました。ありがとうございました。

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