宇治の魅力発信と財政健全化について

2018.7.19

おもてなしの心でつなげるお茶と歴史文化のまちづくり

宇治市長 山本正

ただいまご紹介いただきました市長の山本でございます。1年間の御無沙汰でございます。今日は卓話の機会をいただいて、本当に心から感謝申し上げます。まずお話をする前に大阪北部の地震、それから西日本の豪雨、竜巻、自然災害が立て続けに来て、我々宇治市も対策本部を作ったり、避難所を開設したりしてきたわけですけども、幸いにして宇治市では死亡者はないということですが、この災害でお亡くなりになられた方に心からご冥福を申し上げますとともに、今なおまだ救助されてない方、見つけ出していただきたい。そして、まだ避難所生活をしておられますけども被災されたすべての皆様方に心からお見舞いを申し上げます。

それでは、今日のテーマである宇治の魅力発信についてお話しいたします。

私は宇治市長に平成24年12月19日に就任しましたが、東京や、或いはいろんな人から「宇治市はいいところだ」と言っていただきます。平等院と宇治上神社の世界遺産はもちろん、宇治茶のブームもあり観光入込客数は550万人を超えていますし、NHKのブラタモリが、これまでの情報番組の時間帯以外の時間帯に放映されたこともあり、メディアへの取り上げられ方がすごくなってきているということを、宇治市以外の方々から言っていただくようになりました。宇治市にいるとそういうことは見えにくのかもしれませんが、本当に宇治市は魅力のある市であると思っています。

海外へのトップセールスは、以前に台湾、香港に行っており、今回、再度台湾に行くので合計3回目になります。以前に台湾に行ったときに、スーパーの社長から「宇治市の野菜はないか」と聞かれ、「宇治市では野菜がそろわないので、隣の久御山町に素晴らしい野菜があるのでどうか」と言ったら、「宇治市のが欲しい」と、つまり宇治市というブランドが欲しいと言われました。また、2年前の夏に香港の大使館に行った際には開口一番、「何で台湾からなんだ、一番に香港に来てほしかった」と言われました。香港の秋のイベントにも出展しないかとも言われましたが、何回も行く力がありませんので京都銀行の香港出張所にお世話になり、宣伝をしてもらうことになりました。今回も、オール宇治の商工会議所、観光協会、市に加え、平等院にもご参加いただき台湾に行こうと思っています。

厳しい財政状況の時に海外かとのご意見もございますが、やることをやり、磨くときは磨き、今いいからということだけではなく、国際都市宇治市、文化都市宇治市、観光都市宇治市としてしっかりやっていきたいと思っています。

今やどの都市も、観光が最大のテーマである取り組みを進めていますが、宇治市にはたくさんの素材があります。しかしせっかくの素材も磨かないと、次の世代に引き継げません。

お茶の京都DMOが設立され、宇治市における戦略的拠点が宇治橋周辺ということになっていますが、宇治市としては、お茶と宇治のまち歴史公園の整備により、宇治の窓口であると同時に12市町村のお茶の窓口にもしたいということを先日、京都府知事にも申し上げました。このように魅力発信はもちろんのこと今の政策に満足することなく、文化、観光、いろんな面で他の都市よりも魅力のあるところを大いに磨き続けたいと思います。

魅力ある宇治市をどう持続的にしっかり財政基盤を作るかということは最大のテーマです。宇治市だけが今、財政で悩んでいるのではないのです。将来はいつまでも国に頼るという事ではなく自立した姿勢というものが地方自治体に望まれる。どれだけ自立したことを考えられるか、その上で国の現状、連携というのが重なり合うということであろうと思いますので、我々は4年間の財政健全化推進プランを出しました。出す動機は何か。1つだけわかりやすい話をさせていただきますと、私は平成24年12月19日就任ですけども、平成20年の税収の中で、28年の決算見合いで行くと40億円減収なんです。ですから、決算見合いでは減収になっています。それからもう一方は待機児童、生活保護、義務的経費と言うものがどんどん伸びるとともに、私も子育て支援医療費というもの、高齢者政策、着実にトップクラスをねらってやってきたことも影響しております。この財政健全化に取り組むというのはなかなか勇気のいることですが、財調の基金は、毎年だいたい5億~7億くらいを出してきて、またうまくやりながら返してきたんですけれども、昨年の予算編成の時に11億ぐらい出してきました。

ところがその年は前年の財政の対策で、思い切って学校施設を含めて取りましたので少し割り引かなくてはなりませんが、かなり積極的な予算を組んだということもありましたけども、それは将来への投資なども含めて意識をしてやりました。

11億も財調で上げなくても例年やったらいけるはずですけども、4年か5年で枯渇するというような危機感を持ちまして、4月ぐらいからこれはもうしっかりしなければいかんと思いました。どれぐらい4年間で見積もれるのか。4年間で足らない総収入と総支出で見たときに税収の減と歳出の増により、昨年で経常収支比率が98.8%に上がっている。これは国が出す基準でだいたい75%、各市町村でだいたい90%前半から100に近い形の間ですけども、こういうことに危機感を持って積算をして参りました。

予算を組む中で、4年間でどれぐらいが必要となるのか、足らないのか、これで85億円というのを見通しの中で出しました。しかし市民には理解と協力をいただかないといけないので、オープンにしようということにしました。そしてオープンにしただけでは健全化はできませんので、9月ぐらいから各部長と私と2回。そして予算編成で2回ぐらい、さらにそれ以外に2回ずつ部長とヒアリングをやりました。そのうち一番のネックはやはり市の職員の給与です。部長のヒアリングと同時に並行して労使交渉をし、私も団体交渉に出て申し上げました。

退職金見合いでもかなりの減額になる賃金制度を提案しました。労働組合との交渉が成り立たなければこれをどうしょうかなと、責任を感じておりましたけれども、賃金カットではなくて賃金制度改革に合意できました。賃金カットというのは4年間カットして帳尻を合わしたらいいように見えますけども、4年後はまた上がるわけです。賃金制度は4年後も続くわけなんです。そういうものに合意をしたということです。もちろん特別職、私の本給を10%カット。それぞれの特別職もカットしました。そこで1年間に予算を組むときに歳入の増、使用料なんかもお願いをしたので歳出の減、これで12.5億ぐらいを組み立てることができました。この12.5億円ができたということでだいたい予定通り4年間行くと68.6億円というのができ上がりました。しかし85億円にはたどり着いていません。しかしなかなか85億はもう内部経費削減、その他でやっていかないと議会からも理解が得られないなという思いですけども、少し地域の経済が上がってきて税収も増になってきている状況です。従って1年目では12億+途中の補正予算で人件費が労使交渉合意したものの、1億ぐらいが補正を打てるのではないかということで、あとはいろんなことで頑張っていくとこういうことで、内部経費も引き続いてカットしていく努力をしていきたいということでございます。

その総収入と総支出のうち、なぜ使用料をお願いしたかといいますと、利用している人の負担が極端に他の市町村よりも少ないんです。中には40年間上げてないというものが、この部長ヒアリングをやって見えてきたんです。将来を考えたときに利用料を本人の負担を少し上げていただいて、その分だけ税は魅力ある宇治に必要な事業とか、投資的経費、将来の財政構造に変えていく努力がいるということです。あと、公民館の使用料が無料なんです。同じような価値感でしっかり論議しなさいということで教育委員会で論議をしていただいています。これらもやはり整理していきたいと思っているところでございます。

次は補助金とか、公共施設の駐車場有料化なども考えて、城陽市の市役所のようなことを考えていかないといけない。来年度以降は難しいものがあります。この85億円というものを見たときに最も影響しているのは義務的経費であり、扶助費なんです。扶助費は生活保護費とか、児童福祉の法律に基づく支援とか、市単独でやっている政策のうちの義務的なものが大きく占めています。従って動かしようがないということなんです。

動かせるもので言えば一番意外に多いのは保育園です。私は待機児童対策を久保田前市政からも引き継いでかなり意欲的にしましたので、これの運営費というのはかなり上がってきていることも事実であります。

高齢者対策は認知症も含めて取り組んでおりますが、高齢者対策は2つありまして、一つは介護保険で対応しているところもあるということを申し上げたいと思います。

もう1つは借金がどうなっているかということなんですけれども、借金はまず国との関係。国は従来税金を吸い上げて交付金をばらまいてきたのですね。今もそうです。国もお金がないから交付金で渡す、足らない分は債権をうて。その代わり将来国が保障するという臨時対策債というのがあるんです。これは債権のうち、占める割合が5割を超えているんです。幾ら交付金を当て込んでいただくといっても5割を超える。これは他の自治体でも同じだと思います。ですから、そういうものを含めれば国との関係についても大切なことだと思っています。

ある集会所のところで「国から金をとってこんからこんなことになっているのではないのか。国からもっと取って来い」と言われました。私は「いつの時代のお話をしておられるのですか。国から金を取ってきて、自由に使えるというのは全く0です。今はプレゼン能力とそしてしっかりした基盤のものを上げない限り国は許可をしないのです」と言いました。

例えば国との関係はどうなのか。そしたら天ヶ瀬の再開発事業、これは治水対策で最も有効ですけども430億円。この前、破砕体が出て3年遅れで590億円、これは国と府のお金で市は0。それから塔の島のところ、35億円ぐらいで予算計上をしてやって来ています。もうちょっと下流に行くと25年の台風の時に下から降りてきたところの直す河川整備などですね、国費たるもの、宇治市が1円も払わぬものはどんどん取り込んで、石井大臣、副大臣が来られて私が説明をして十分納得していただいて全国の中でも国費の投入が多いというところです。

その他は下水とか、上水道、学校のトイレの改修などを含めて国庫補助がつかない限りなかなか宇治市だけの税金でできないということです。もっともはっきりしているのが太閤堤のところです。史跡ゾーンは8割が国なんです。それから今議会でやっていただいている交流ゾーン、これは歴まち法に基づいて3人の大臣が認可すれば国庫を40%、45%まで補助する。私が市長をした時にはもうすでに用地は買われています。用地のうち、約38億円は議会からは全員賛成で議決をいただいています。そこからスタートして、いよいよどうやって宇治市の税金を少なくしてという状況の中でお引き受けをしたということなんです

そこで借金のところで、しからば宇治市の先人達を含めて今の職員がやっている事で今度は良い条件のお話をします。

将来負担比率は0。これはKTRとか、地下鉄、病院その他いろいろなものを持って、将来負担比率、高いところはかなり高くて、これは宇治市は0なんです。ゼロということは全く経営が良い。それから実質公債費比率。これは2.1%で、八幡市、長岡京市に次いで3番目です。いい内容です。一番悪い宮津は16.1%、隣の城陽市で9.5%、亀岡で11.3%、これも毎年、財務省の京都の方がお越しになり、実質公債費比率、財政健全化判断比率、その他はよろしいが、あと財調がどうなんですかということで指摘を受け、これは今からどうやって財政の構造を変えて将来に備えるかという準備をしているということなんです。決して宇治市の市長のポケットマネーにこの利用料が入ってくるわけではないので、構造を変えて利用者に負担してもらいながらしっかり将来に備える。家計でもそうです。赤字になってから赤字補填するのはしんどい。借金側で健全な時にこの財政構造を変えていく。私自身、宇治市の市長になってから人事監1000万円ほど、水道事業管理者1500万円カットしました。200人の管理職、そのうち30人の主幹クラスを廃止しました。それからもう一つは退職金が400万、公民間格差が高い。これも市長になりたての時にやってきました。やれることはしっかりやっていきたいと思いますし、今後とも職員の給与はどのくらいの位置でいいのかということはしっかり踏まえながらやっていきたいと思います。

それから市民にお願いを。今やっているのはどういうことかと言いますと、公平性の観点が一つ、利用者の負担と税で負担の見合いを見直す。それから二重に投資になっているもの、これは一部保育のところにあったんですが国が新しい制度をやるとともに市のほうはそのままおいといたら肥太りみたいなところがあるので、これを整理し、カットをさせていただきました。それから直接現金、その他を渡す事業もカット対象にしました。それからイベント、これは10年も20年も同じことをやっていて成果があるのか。だからイベント2年に1回にするとか、廃止するとか、統廃合するというようなことです。そういうような現金で渡したり、二重になっているものを今、整理をさせていただいているということでございます。中には好景気になれば税収が上がるので85億は数字を動かないとあかんやないかということですけれど、これは良い方向に向けばプラスとして理解する。そこで1年ごとに進捗管理をしますけれども85億円の数字が70億円になったり、60億円になったりという考え方はしておりません。そういうことで4年間仕上げてしっかりやりたいと思っております。自治体もあえいでいることも間違いないんです。今財務省と総務省の戦いが始まっています。ここ3年ほど。国は、赤字国債を押して地方にお金を渡したら、これが財調という基金に積み上げているところがある。そのため、財調の基金の多いところは交付金を減額するというようなことを言っているんです。市長会のほうは、行革やら、いろんな努力で財調を積み上げるのは残すためにやっているのではなく、昨今の災害のときに金がなければ何一つも手だてができないという意味の財調の基金、これは溜めすぎると問題だけれどもやはり適正な額というのは財調には必要。こういう考え方で総務省を通じて市長会で戦いがされている。しかし昨今、財務省というのはかなり厳しい。我々としては地方自治体が血と汗を、そして市民の皆さんの努力で積み上げて来て財調に基金化しているのは、将来を考えて災害時なんかも本当にお金がなかったらできないからなのです。この前、ブロック塀23ヶ所対応を幼小中学校でやったんです。宇治市がトップです。危険なブロック、法的適正でないブロック。これには6000万円必要。財政健全化のときに6000万円なんて大変やろうと言われるけれど、そんなもの、現地に行くと木幡中学なんかブロック塀が波打ってるんですね。こんなもの地震どころではない。だがそういうところに目がいってなかったのが正直なところです。昨日、京都新聞のある記者に聞きますと、市町村で宇治市さん一番早かったということで一本やられたなという市もありますよということだそうです。6000万という決心は大変でしたけれども、会期が1週間ぐらいに控えているときに議会に提案しなくて予備費で9月補正なんてことはするな。議会に意見をもらえ、6000万も予算を出そうやないかということで出したんです。

まだその他にもいろんなことをしなくてはと思いますが、いずれにしても金を使いすぎたから、金がなくなったとか、そういうような見方もあるようです。そういうことではなくて、構造的に国と地方の関係、人口が増えるときと同じ考えで公共施設を作ってきた。だから公共施設も総量を今後30年間で延床面積ベースで20%カットを目標に計画を作りました。そういう理にかなったことを、しっかり財政構造を今のうちから変えていく。赤字になる前から。これが最も大事ですので人気が悪かろうが、もう叱られようが、将来を考えたら必ずこのことは大事なことだと私も思い、いろんなところで説明をしております。しかしよくよく考えて欲しい。将来、孫の時代まで借金をどうするかということを考えないかん。人口が増えてきたときと同じことをしていたらどうなるのか。このようなことを何回も言い、各部長とも、もう本格的に危機感をもって共有しています。そういう意味で今日はお願いみたいな話ですけれども、もし、そういうご意見がありましたら我々意見を汲みとめて、直して行かないといけないことはどんどん直していきます。けれども財政のことはそういう考え方でやっております。すべてのことを十分お話ができなかったかもわかりませんが、ご理解とご協力を賜りたいと思っております。お時間をいただきありがとうございました。

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