宇治市の教育―宇治ならではの取り組みー



宇治市教育委員会

教育長 岸本文子

ご紹介賜りました宇治市教育委員会教育長の岸本でございます。宇治鳳凰ロタリークラブの皆様におかれましては、平素より、宇治市政とりわけ教育行政に多大なご理解とご支援を賜っておりますことをこの場をお借りいたしまして、改めまして御礼申し上げます。ありがとうございます。さらには、社会貢献という大変な事業を展開され多々ご尽力賜っておりますことに敬意を表する次第でございます。

昨年の10月12、前任の石田肇教育長の後任といたしまして、教育長に就任させていただき、奇しくも本日で丁度丸1年でございます。そのような日に、貴クラブの例会にお招きにあずかり、お話をさせていただく機会を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。浅学菲才なうえ、生来口下手で皆様にお話し申し上げるような立場ではございませんが、お耳を拝借し、どうぞ最後までお付き合いよろしくお願い申し上げます。

それでは、本日配布をさせていただきました資料をご覧いただきながら、宇治市の教育につきまして、宇治ならではの取り組みも交えましてお話をさせていただきます。

資料の1頁から4頁は、皆様既にご承知の内容でございますので、5頁をご覧願います。下段でございますが、本市の幼稚園、小中学校の状況でございます。4つの幼稚園、22の小学校、10の中学校合わせまして36校園がございます。このうち、平成24年度に開設いたしました「宇治黄檗学園」は、施設一体型の小中一貫校でございまして、この、小学校、中学校を1つずつカウントいたしまして22小学校、10中学校でございます。

児童生徒数は、本年5月1日現在、幼小中合わせまして、14,878人、教職員数は、非常勤、市費職員合わせまして1,143人でございます。

資料が前後しますが、5頁下段の本市の教育予算は市全体の予算総額(一般会計)617億9千万円のうち、56億3654万5千円で、予算に占める割合は9.1%でございます。他の類似団体の平均は12%くらいかと思っておりますので、類団に比較して少し低い状況です。

資料の6頁をお願いします。本市の教育に関する大綱は、平成26年3月に策定いたしました「宇治市教育振興基本計画」に示した「教育ビジョン」を持って代えることとし、平成27年5月に策定いたしました。

教育理念は、家庭・学校・社会でささえる宇治のひとづくり・まちづくりとし、目指す人間像は1つに宇治の自然、歴史、文化を守り育てふるさと宇治をつくるひと、2つには地域社会と協働し、世界に誇るあすの宇治をつくる人といたしております。ここに掲げました人間像に向けた教育の基本目標を3つ掲げ、教育環境のより一層の充実を図り、地域社会全体の絆を一層深めるとともに、ふるさと宇治の恵まれた自然や歴史遺産、伝統文化を基盤として、郷土を愛し、生涯にわたり学ぶ力と自ら行動する力を備えた21世紀の社会と明日の宇治を切り開いていく市民が育つ本市ならではの教育を進めております。

本市の教育の特色ある取組といたしまして、大きく4つございます。

まず1点目が資料の7頁から8頁上段にございます、小中一貫教育です。

本市では、人口急増期に必要に迫られて学校を開設してまいった経過から、現在では、中学校の校区と小学校の校区が合致しないところが多くあり、1つの小学校から、別々の中学校に進学するという、我々、分散進学と申しておりますが、地域コミュニティが分断されるような状況がございます。また、御多分にもれず、少子高齢化の進展により、学校よりまして児童・生徒数が減少いたしております一方で、逆に増加や微増、横ばいといった傾向の学校がみられるなどいくつかの課題を抱えておりまして、これらを解消するために、平成9年度から、時宜に応じ、検討委員会や懇話会を立ち上げるなどして検討進めてまいり、平成19年に「宇治市小中一貫教育と学校規模の適正化の方向」を示した「NEXUSプラン」を策定いたしました。先ほど申し上げました宇治黄檗学園はこのプランに基づき、学校規模の適正化を図るとともに1つの小学校ではございますが分散進学を解消するために、開設した学校でございます。

小中一貫教育の目標といたしましては、「学校が変わり、地域が変わり、そして子どもたちが光輝く小中一貫教育」を、目指す子ども像といたしましては「将来の夢を持ち、自己実現に向けた努力ができる子ども」を掲げております。

9年間を見通した系統的・継続的な学習指導、生徒指導により、児童生徒の学習意欲の向上や学習習慣の確立、児童生徒の個性の伸長と社会的な資質・能力の育成などをねらいとするとともに、小中学校の教員が相互に交流を深めることにより、教職員の資質と指導力の向上を図ることもねらいといたしております。

また、中学校ブロック(2小学校・1中学校を基本)を単位とした地域の諸団体や保護者相互の連携を深めることにより、学校・家庭・地域が一体となった教育環境づくりを推進いたしております。

次に2点目といたしまして、8頁下段の地元大学との連携でございます。本市には、京都文教大学・短期大学と京都大学宇治キャンパスの2つの大きな大学が存在します。これら大学の「知」を生かさない手はないということで、平成22年2月にまず、京都文教大学・京都文教短期大学と宇治市が「連携協力に関する協定」を締結いたしました。この中から生まれましたのが「宇治学副読本」の編集でございます。宇治学につきましては、後程ご紹介申し上げます。

さらに、平成26年11月、日本を代表する「知」の拠点でございます京都大学の研究機関が集積する「宇治キャンパス」とも包括連携協定を締結し、科学技術に夢と希望を持つ人材の育成、本市理数系教員の指導力向上に向け協働して研究を行う「スクール・サイエンス・サポート事業」を実施いたしております。

3つ目は資料の9頁でございますが、「宇治学」の推進でございます。

先ほどの小中一貫教育の特色ある教育活動といたしまして、「宇治で学ぶ、宇治を学ぶ、宇治のために学ぶ」をコンセプトとした「宇治学」いわゆる総合的な学習の時間でございますが、におきまして、地域社会の一員としての自覚を持ち、ふるさと宇治をよく知り、諸問題に目を向け、主体的・創造的・協同的に取り組むことで、よりよく問題を解決する資質や能力を育て、自己の生き方を考えることができるようにすることを目標に取り組んでおります。

宇治学に関しましては、先ほども触れさせていただきましたが、京都文教大学のご協力もいただき、小学校3年~中学校3年までの七つの学年の「宇治学副読本」の編集を進めております。この共同研究を進めるため、京都文教大学では、文部科学省から官民連携による「宇治学」副読本作成と現場での活用に関する研究等の指定を受けられ、副読本編集にご協力をいただいてまいりました。

この副読本は、本市の地域素材や地域活動を取り入れた探究的な学習を進めるための副読本であり、本年3月に示されました、新学習指導要領の趣旨にも合致する主体的・対話的で深い学びを具現化するものとなっております。さらに、教職員の負担の軽減と資質の向上にも資するため、指導の手引も合わせて作成いたしております。

平成29年度に、小学校3年生と6年生の副読本が完成しており、既に全小学校で学習に取り組んでおります。3年生は宇治茶の素敵を伝えよう、6年生は「ふるさと宇治」の魅力大発信がテーマとなっております。平成30年度からは、小学校4年生の「発見 ふるさと宇治の自然を伝えよう」と中学校1年生の「命そしてふるさと宇治を守る 私たち中学生としてできること」をテーマとした副読本が完成しており取り組みを進めているところでございます。

残りの学年につきましても、現在、副読本の編集を進めております。

4つ目が資料の12頁の下段にございます「スクール・サイエンス・サポート事業」の推進でございます。京都大学宇治キャンパスとの連携事業ですが、小・中学校の教員研修をはじめ、防災研究所宇治川オープンラボラトリーでの防災体験学習、小中学生を対象とした理科教室の開催、幼稚園への出前講座などを実施いたしております。子どもたちからは、わくわく感や驚きの感想、理科が好きになった、実験が楽しかったなどの感想がございました。

 今後におきましては、小中一貫教育の手法を生かした宇治ならではのアプローチによる取組を一層推進し、何よりも、児童生徒の学力向上につなげるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 甚だ簡単、稚拙なスピーチでございますが、本日のお話は以上とさせていただきます。つたない報告を最後まで、ご清聴賜り、誠にありがとうございました。

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