フードバンクその背景にあること

1019年12月5日

フードバンカー フードバンク団体役員   

澤田政明

セカンドハーベスト京都の澤田でございます。セカンドハーベスト京都とはフードバンク団体です。フードバンクとはなんやねん。食料銀行と約されますがその背景も含めてお話します。

自己紹介をさせていただきます。特定非営利活動法人セカンドハーベスト京都理事長です。1966年2月京都市内で生まれました。現在フードバンクをする人、フードバンカーをやりながらこれはボランティアです。それだけでは食べてきませんのでどうしているかというと兼業主夫といいますか、家で料理を作って掃除洗濯して主婦をやっております。奥さんに働いてもらいながらということで自分は好きなことやらしていただいております。

フードバンクとは簡単に言いますと市民や企業から未利用の食品をいただきまして、それを福祉施設や生活困窮者の支援団体に無償で届ける活動です。

フードバンクは1967年、アメリカで始まり、もう50年以上を経っている歴史のある活動なんです。もともとはアメリカの教会で炊き出しをされていた。そこで近所のスーパーで捨てられている、食べられる食品あるよと聞きつけた炊き出しのスタッフはそこに聞きに行かれました。で、使っていいよと許可をもらって譲ってもらったということころがフードバンクの始まりです。現在では全米で130万トンを超える取り扱いとなっております。アメリカ政府も深く関与して税金を使って支援しています。ヨーロッパではフランスで初めてフードバンク団体の活動が始まり、今や大規模なスーパーでは未利用の食品のロスを廃棄することは違法となるような法整備までされております。現在では年間20万トンを扱うフードバンク大国と言っていいかなと思います。アジアでは韓国で一番初めに始まりまして国が、行政主体で活動が始まりました。それが今では民間でも広がっていき、韓国の場合、重さでなくて生産コストベースで約198億ぐらいの食品を取り扱っています。日本では東京でアメリカ人のチャールスEマクジルトンさんが2000年に国内で初めてフードバンク団体セカンドハーベストジャパンをはじめました。

現在では取り扱い量も日本国内最大の3000トンを超えますが国内的に見ると巨大な団体なんですが海外から見たら本当に小さな活動規模は小さい。関西では2003年にアメリカ人のブライアンローレンスさんが兵庫県でフードバンク関西という団体を始めました。現在は200トンを超える量を扱っています。京都でも他の先行事例と同じようにやはりアメリカ人の、ベリーワイトエトさんが2004年に活動を始めました。それから遅れること11年、2015年に私どもセカンドハーベス京都ができます。現在では私どものセカンドハーベスト含め府内に6団体、フードバンクを標榜している団体があります。

フードバンク活動を語る際にその背景に二つの社会的問題が横たわっています。それは昨今でも耳にするようになりました食品ロスの問題、もう一つは国内の貧困です。食品ロスといいますのは国内と海外では少し定義が違います。国内ではまだ食べられるに捨てられている食品です。この食品フードロスですが事業系と家庭系があります。だいたい食品製造業で22%、外食産業で21%、食品小売業で10%、事業系の合計で55%です。家庭系では45%、家庭のほうの理由は食べ残し、過剰除去、そして多いのが手付かず食品の廃棄。なぜそのような食品ロスが発生するのか。にんじん、スーパーには並ばない、こういったものを道の駅なんかで販売される場合もありますが過剰になった場合、キャベツなんかでもたまにあります。それは畑に放置してそのまますき込んでしまう。で、食品ロスになってしまう場合もあります。こういったものはそもそも規格に合わないのでスーパーなんかで陳列されることはありません。同じように大きく曲がったキュウリ、自然に作りますので当然曲がっているものも出てきます。こういったものも使われない、流通の方に出てこない。食品製造の現場ではこのような形でゴミが出ています。また、流通の現場ではクッキーなんか、パッケージの底、角がちょっと破れている。中身は別の法があって中身は大丈夫なんです。けどもこの箱ごと廃棄してしまいます。もちろんこれを中身だけを取り出して新たなパッケージに入れて、その手間を考えたら捨てた方が安いというモチベーションで廃棄されています。その日陳列されていたものが営業の終わった段階では廃棄されてしまう。で、流通の現場で3分の1ルールという業界独自のものがあります。ある食品が仮に1月1日に生産されたものが、賞味期限が6ヶ月で6月29日まであったというものを1月1日製造で次の6月末の期間を3等分にして初めの3等分の2か月、この場合ですと納品期限が3月1日になります。これまでに食品を納品できなければ受け取ってもらえない。例えば3月2日に、1月1日製造のもの持っていっても小売りは受け取ってくれない。そういうルールがあります。この食品が無事に納品され、お店の方ではこれが次の4月30日までに売りきる。売り切れない場合はよくあるのが値引きシールとか、貼って売りきる。そうでないものもあります。棚からは外してもその置き場がない。そのまま返品になったり、廃棄されたりします。そういった食品ロスが出ています。

現在少しずつ改善しようとする機運が出できまして、一つ目には年月日で賞味期限が出ていますがそれを年月だけにしようということで一部の飲料品ではもう始まっているようです。また、この3分の1を2分の1にしょうかとしようかと業界全体で動き出す機運が出ています。一方家庭でよく間違えるのは消費期限と賞味期限です。賞味期限が一日過ぎたらわあ、これはあかんわと言って捨ててしまう場合があります。消費期限は安全に食べられる期限で、賞味期限はメーカーがここまでだったら美味しく食べられますよということを決めている期限です。その賞味期限をメーカーは例えば製造から100日間、大丈夫なものを実は80日という形で切って設定しております。この場合、安全係数と言われ、この場合、安全係数0.8をかけたということで賞味期限が設定されています。だからこれが1日、2日超えたらといってたちまち品質が劣化するのではなくて、その賞味期限と消費期限を混同している消費者がいるということです。で、京都市と京都大学は共同で30年近く研究をしています。ある地域のゴミ袋を全部開いて割り箸で中身を一つずつ分解していきます。その中で生ゴミの中から出てきたのもの20%、これらの食品、手付かず食品と言われフーズドライの味噌汁です。大根も腐っていないようですし、ミカン、パンもカビていません。インスタントラーメンでも4個捨ててあるもありまして、これは多分1個、食べて口に合わなかったからかなと思ったりします。こういった手つかず食品がものすごく多い状態になっています。

日本は年間8200万トンの食品を消費しており、その内の2800万トンは自給率が低い国ですので輸入しております。食品の廃棄、食べられるもの、食べられないものを含めてなんですけれど2800万トン、輸入と同じぐらいの量を捨ててるんです。

そのうちの646万トンは本来食べられるはずだったのに捨てられているものなんです。

320万トン、これは国連が WFP というところが災害の被災者や戦争、難民キャンプ、そういったところに1年間で8000万人に支援する量、それが320万トンです。それの倍の量を日本一国で捨てる。食品ロス大国という悪い名前が日本についています。

で、京都府はどうなのか。見ると府は13万トンから17万トンぐらい食品ロスが出ています。ローマ教皇は食品を捨てることは貧しい人々の食事から食べ物を盗むことだと言っています。よく引き合いに出されますのがバナナなんです。日本などでは産地から高く買うんです。高く買うからバナナを作っている産地の労働者は高くて買えないと言う状況が起こったりするんですね。ところが日本では少し黒くなったからといって廃棄に回されたりします。中身は全然食べられる。でも見た目が悪いからもう売れない。

食品ロス削減のために私たちがすぐにできる六つのことを紹介します。

1、買い物の際に事前に買い物リストを作成する。これはついで買いを防ぐ効果があります。

2、買い物に行く前に冷蔵庫や食品在庫を確認する。同じものを買ってしまう予防。

3賞味期限が先のものを棚の奥から取りださない。お店で牛乳など日付順に並んでいます。それを奥の方に手を突っ込んで取るということでなくて、できるだけ手前のものを取ってあげる。店の売れ残りが出ないように手伝ってあげよう。

もちろん1週間ないと使い切れないという人もあり、その時は奥の方から取っていただいていいと思います。可能な限り順番に取ってあげるということです。で、食品ロスをなくそうということです。

4、空腹で買い物に行かない。これで行きますと1.2人倍ぐらい多く買ってしまうそうです。だから何かお腹に入れてから買い物に行きましょう。

5、限定という言葉に惑わされる。これはすごく日本人に多いそうです。地域限定とか、数量限定となったらつい買ってしまう。何でなんでしょう。日本人はこういうくせがあるようです。逆に言えばこれをつけたら売れるのちゃうかということです。でも、惑わされないようにしましょう。

6、安いと言って必要以上に買わない。特売などでついつい多めに買ってしまう。もちろんトイレットペーパーとか腐らないものならいいですが腐ってしまうようなものを

多めに買ってしまう。だから入れ放題だからといって詰め放題で買って食べられないことがないように使える量だけ買うということ。この辺であればどうでしょう、今日からでも始められるんではないでしょうか。

もう一つは今度はフードバンクのもう一つの背景に対について、貧困という問題です。貧困といえばどういうイメージを待たれるでしょうか。戦後の闇市の中で子どもが靴磨きをしていたあんな状況でしょうか。それともアフリカの飢餓のイメージでしょうか。世界銀行ではこのような状況のことを絶対的貧困と呼んでいまして、人間が生きていくのに必要最低限の衣食住を満たす生活水準以下であって、現在では一日当たりの生活費が1.9ドル以下、200円くらいの人々がそれに該当します。世界では8億人の人がそういう状況にあるといいます。絶対的貧困と現在の先進諸国が直面している問題、こちらの方は相対的貧困と呼ばれています。相対的貧困というのは具体的にはその国では普通とされている生活水準以下、普通とされている所得の半分以下で生活するということですけども日本では大体の基準がありまして1人世帯であると122万円、2人世帯173万円、これ以下であるとほぼ生活保護の基準と同じくらいなんです。この状況以下で暮らしている人たちのことをいいます。

国民の所得を100万円の人か何人、101万円の人が何人、並べてのグラフがあります。山形になっている訳です。この山をつなぎますと一番高いところ、ここは中央値と呼ばれ、現在は427万円なんですね。この所得の半分以下、213万円以下を相対的貧困というふうにとらえているということです。この相対的貧困ですけども時系列で言いますと1985年からちょっとずつ右肩上がりで上がってきております。決して良い数字ではなくて、現在では7人に1人、赤い数字は子どもを育てる子育て世帯、子どもの貧困率なんですね。青いのが国民全体の中の貧困率です。この7人に1人というのは子どもが貧困になっていますが私たちが見ると子どものイメージ、貧困の子ってこんなイメージではないですね。昔のようにつぎはぎだらけの服を着てたり、青っぱなを出しているとかという事ではなくて、今起こってるのは見えないけどもそこにあるという貧困なんですね。これは日本の特徴というふうに言われておりまして、日本の特徴は働いているにもかかわらず貧困になっている。海外の人から見るとおかしいですね。ちゃんとフルタイムで働いているのに何で貧困になるんだ。特にひとり親家庭なんかでは2世帯に1世帯が貧困という状態に陥っています。私たちのパートナー団体を通じてこのような方と出会いました。中学生と小学生の子どもがいるシングルマザーなんです。パートで働いていて収入を得ていますがパート収入が10万円です。この段階ですでに生活保護レベルの基準以下なんです。児童扶養手当は7万2000円出ます。これで月の収入が17万円。一方固定費の支出は家賃、光熱費、この方は奨学金という名前の学生ローンを借りておりましてそれの返済もしなくちゃならない。固定費が上がっております。14万円。この差額が食品に回されるわけです。パートの収入なんですけどもこれが安定しているかという安定してないんですね。例えば子どもがけがした、熱出した。病院へ連れて行かなくてはならない。その分、時間が削られたりします。またパートですから仕事が希望通り入れてもらえないとかいうことも起こり得るかもと思います。そうなるとパート収入が減ります。減った分どうしてるのか。もちろん食費を削っているんですね。固定費を削れないから。ですから何から削っていくかと言うと食べ物で、果物とか、野菜とか、から削られていっている。結局残っているのは炭水化物ということになっていくんですね。逆説的なんですが貧困の人ほど肥満が多いという状況、アメリカも日本も同じような形になってきております。この相対的貧困率なんですけどもこの指標を出しているのはじゃあどこか、どこの国際機関かと調べますと例えばユニセフか、もしくはWAP 、WHO であるか・・・。答えはOECD協力経済開発機構が出しています。なぜ経済に関する機関がどちらかというと人権問題である貧困を調べているのかと言いますと相対的貧困がその国の将来の経済発展に大きな阻害要因になるというふうに考えているからにほかなりません。今、奨学金という名の学生ローンの返済が滞ったりして破産に陥ったり、アメリカでは学生のホームレスまででているそうです。アメリカの数年後の姿が投影されて来た日本でも現実に今後なってくると予測されますが、その一方で大変やなぁ、でも自分とは関係ないかなと思う方もいらっしゃるかもしれません。でもそうでしょうか。子どもの貧困をこのまま放置しておきますと私たち一人一人の将来の生活に大きな影響が出てきます。所得の低い世帯で育った子どもたちは教育を受ける機会が少なくなってしまうことはわかっているんですね。以前私が関わっていた小学校では僕が育った頃と比べ物にならないほど宿題が沢山出されています。その宿題を保護者さん見てもらってくださいと言うんですけども保護者は、例えば共働きで働いて忙しい、シングルになったらとてもやないけどもそんなん見れない。子どもの勉強を見れるほどの時間を作らないという家庭が本当に少なくなかったですね。世帯収入は学力と非常に高い相関関係あると言われていまます。学力の差は学歴の差となって現れます。日本財団が2015年に調査しました。この子どもの貧困を放置すると日本の将来の所得喪失は42兆、財政支出の損失は15兆。これは何かと言いますと本来ならこの子たちは納税する側やった人たちがただ、生活保護であるとか、そういった社会保障を受けないとやっていけない状況になる。大きな損失になるという試算が出されております。

つまり私たちの生活にも直結する大問題でして大変やねえ、一言では終わらない問題になっています。

これは今、経済的な側面を申しあげたんですけどもそれだけじゃなくてもっと怖いことがあります。子どもたちに頑張れば報われると思いうかというアンケートを採りました。その中にそうは思わないというのは支援が必要な子どもの2割以上がそのように答えるんです。またさらに自分は価値のある人間かと思うかという質問に対してはそうは思わない。支援対象の55%がそのようにこたえる。自己肯定感の低さということはこのことかなと思います。この貧困が子どもに与えるダメージ、どうせ自分なんて何をやってもあかんなぁというような自己肯定の低さ、すごい大きなダメージだと思います。そんなふうに思う子どもたちがいっぱいいる国の将来って一体どんな国が想像出来るでしょうか。投げやりな人や自暴自棄な人が多くなっていかないでしょうか。それを裏付けるようなニュースが最近チラホラ目にするので怖いです。それが見えにくい子どもの貧困の計り知れないインパクトです。食べられるはずの捨てられてしまっている食品、フードロス、これを必要とする方々にお届けする活動、それがフードバンク活動です。

我々セカンドハーベスト京都は今年で設立満4年になりました。事務所は東山祇園の北側なんですけども京都市の施設でそこを間借りしております。倉庫はこの宇治市の槙島近くにございまして私は大体、配達に走っているか、倉庫にいるかどちらかです。セカンドハーベス京都は全員がボランティアなんですね。ボランティアばかりなんでこの日はいいけど、この日は来れないという人が多いですから毎日の対応ができないわけです。まだまだ人手が足りない状況ですので、もし手伝ってもいいよという方がいらっしゃいましたら我々のセカンドハーベスト京都のホームページの活動に参加するというところがございますのでそちらの方からご応募いただければありがたいです。

年間、取り扱い量は私どもは初年度は10トンから始まりまして少しずつ増えております。直近では20トン、約倍になっております。これでも東京の団体と比べますと150分の1であったり、兵庫の団体と比べると10分の1と大変少ない状況です。東京でフードバンクって知ってるかというアンケートがあったそうです。約30%が聞いたことがある。知っていると答えたそうです。もし京都で同じようなアンケートがあったら多分10%を切るんではないかと思います。それでも私どもの支援を必要としてくれている団体をパートナー団対と呼んでいます。そのパートナー団体がどんどん増加しています。業務量は増える一方で現在のボランティアだけで対応するにはちょっと困難な状況を迎えています。セカンドハーベス京都の活動は主に三つございます。

一つはフードバンクという活動、一つは食のセーフティーネットという活動、もう一つは子ども支援プロジェクトです。まずフードバンクの活動には二つございましてデリバリーと言ってこれは母子家庭支援施設、生活困窮者支援団体に定期的に食品を届ける。子ども食堂、児童養護施設にも届けるという活動をやっております。

フードドライブという活動がございます。これは家にある食品、例えば今でしたらちょうどお歳暮の時期です。もらったけども、こんなにようけサラダ油使わないだろう。同じものが重なったり、使い切れないな、夫婦2人やしな。ちょっとそういったもの、家で使い切れないような未利用の食品を職場、地域、学校、クラブ、こういったところで回収箱を設置しまして、そこに寄付していただくというものです。京都シネマさんという映画館でやらせていただいたこともあります。京都生協さんで今、府内で7店舗で毎月第1土曜日に実施させてもらっています。喫茶店で常設で置かしてもらっているところもあります。KBS 京都で食品の削減キャンペーンでラジオでタッグ組んでやっていました。食品を集める方の活動です。

食のセーフティネット事業、これは行政や社会福祉協議会に生活困窮など、生活相談にこられた方々が対象なんですけども各窓口のソーシャルワーカーがこの人にはどういう支援が適切だろうかと考える。その中でこの人には食の支援があればすぐ立ち直るんではないかなという方々に対して我々に対して支援要請があります。その支援要請を受けて、例えば行政に私どもがお届けして行政がその利用者さんに届けるということです。そのような仕組みになっています。現在、京都府内の10の市や町、17の団体と協定しています。この宇治市では役所と協定しておりましてよく取りに来られます。今年度は130回、延べ219人の方に食品を届けました。このような活動をしていく中で教育関係者とお話をする機会がたびたびありました。その際に夏休みが明けて登校してくる子どもの中にやせてくる子どもがいるという現実ということを何度もお伺いすることがありました。これは昔の話でなくて今の話です。今どきなんやということになると思います。理由、原因はいろいろあると思います。貧困もあるでしょう。またネグレクトも結構大きなファクターです。いろいろひとくくりにできない複合的な要因でそうなっている場合もあるようです。私どもは設立当初から子どもが無料、または低料金で子どもだけが1人でも食べて行ける、こういった活動、子ども食堂と言いますが今は全国では3000ヶ所以上でされているようです。京都府内では現在では120ヶ所ぐらいがあります。この宇治市内にもいくつかございます。当初、この活動をフードバンク団体として支援するための専門の部門を作って様々な支援を行っておりました。私自身も1ヶ所やっております。メディアが子どもの貧困を取り上げる際にその対策のような感じで子ども食堂がよく取り上げられているシチュエーションがございました。その繰り返しによって何が起こっていたかというと子ども食堂=貧しい人が行くところみたいなイメージになりました。やっている人の思いと裏腹に、本当にしんどい子どもたちが来ていない。という状況が起こっています。親はあそこには行ったらあかん、というんですね。子どもはお母さんに言われているから黙っててねと来るのです。「私とこのそんなんちやうから」と親がすごくストップを強くかけてるんですね。だから本当に届けたかったはずの子どもたちに届けられてない、子ども食堂に。で、子ども食堂を支援する部門はこのままでいいのかと考えたときに子どもに直接食品を届けてくるという活動をしている団体が山梨県にあります。それを見て、やろうと思ったんですけども我々の実際にしんどい家庭にアンケートを採ったんです。次のようなことが帰ってきました。

2月に離婚しひとり親になりました。小学生二人、保育園児二人がいます。私は仕事を週三回行っていますが、月平均四万円です。不足分のお金は生活保護でなんとかやっています。それはきついと思います。今年5月に主人が交通事故にあってしまい、6月からの所得が私のみの仕事(パート)になってしまいます。節約するとなると食費が1番に出てきたので、申し込みをしようと思いました。

かなり大変です。母子家庭。父親(子から見た関係)からの養育費はなし。進学にあたっての制服代などの出費で3ヶ月間、生活の状況が厳しいです。両親も他界しており身寄り無しです。ということです。で、支援するために山梨県で始まっていた活動、これが子ども支援プロジェクトと呼びます。それを始めました。これは学用品とか、給食費など一定所得以下の家庭に対して就学援助というのが支給される制度があります。そういった所帯に教育委員会や学校からプロジェクトの案内を送付してもらって希望される世帯が我々セカンドハーベス京都へ直接申し込んでこられる。で、夏休みに2回、冬休みに1回、様々な食品を入れた10kgくらいの箱を宅配便で届ける、というものです。初年度は京都市と八幡市合わせて185件の申し込みがありました。本年は京都市で六つの小学校からの応募がありました。で、八幡市では8小学校に案内を出して合計で238件の申し込みがあり、出荷をしております。本年、クリスマス前に実施してちょっとしたプレゼントになるといいかなと思っています。出荷作業はセカンドハーベス京都のボランティアを始め、京都府立八幡高校のボランティアの皆さん、プロサッカーチーム、おこしやす京都A.Cさんという方々が手伝いに来てくださって、八幡高校の南キャンパスの教室をお借りして作業しました。職員は企業や行政などから寄贈された防災の備蓄食品や市民や農家、大学から寄付されたお米、また、缶詰とか、八幡にあるホストコホールセールコールさんから今販売している食品、好きなんもの持って行き、と、選ばしてもらって、寄贈していただき、ちょっと太っ腹なところがございました。今年は結局、それでも足りずに幾つかを我々に寄せられた寄付の中から購入いたしました。また、お米なんか足りなくて山梨県に支援要請して1トンぐらいお米を送っていただいたりして、やっとそれまでに合わせました。設立4年で食品取り扱い量がまだ20トンくらいの団体が行うのはなかなかハードルの高い大変な活動なんですけども食品と一緒にアンケートを入れておりまして、その中にはとても助かりました。家族みんなで大喜びでとても盛り上がりました。ありがとうございます。普段は生活に必要最低限の物を購入し子どもたちには我慢させることが多々ありますが今回子どもたちが欲しかったけれど、手に入れたことがなかったものがあり、喜ぶその姿を見て私もまたこれからも頑張ろうと思ったし何よりもありがたかったです。食品に納付してある手紙の部分にぬくもりを感じ、救われました。必死な私を思い、助けて応援してくれる人たちがいるんだと元気をもらいます。など沢山の助かった、ありがとうのメッセージをいただいております。ピンポイントで食品を届けられるので知っていただきたいのは実はこの宇治でも熱心な議員さんがおられ、宇治でもやって欲しい。その要望を受けて先月やっと宇治市教育委員会と話ができ、来年度から宇治市でも1つの小学校以降から始めると言うことになっています。ぜひこういった活動をこれからも続けていくためにどうか皆様のご協力の程よろしくお願いします。こういった紹介をさせていただく場を作っていただきました宇治鳳凰RCの皆さん、また、石津さん、どうもありがとうございました。よろしくお願いします。

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