子供たちは今

2019.9.12

社会福祉士 臨床心理士 公認心理師 

立命館大学教授  野田正人

皆さんさんこんにちは。今日は本当にロータリークラブ,実は東京の方とか何ヶ所とか卓話で呼んでいただいた経験があるんですが、まさにレディー&ジェントルマンという立派だなと思います。何とか違和感とか場違い感があるんですが、私自身はもともと大学では社会福祉を勉強して、そのあと裁判所、家庭裁判所で調査官という家庭問題と非行問題を専門にする仕事をしておりました。平成元年に京都の花園という大学に移ることにしまして、以来、滋賀県の大津に住んでおりまして今、たまたま社会福祉士と臨床心理師と公認心理士というまあそれ以外にも資格があるんですが、社会福祉の専門職養成、それから教員の専門職養成、それから臨床心理士、これは知名度が高いんですが、実は民間財団規格でして昨年から公認心理師という心理に関する国家資格ができています。その大御所も京都には沢山いますので、お出会いただけたらと思います。まあ、そういう経験の中で今日は何が面白いかというのは私にはわからないんですが、子供のことをしゃべれということで今の社会の全体としてもう1回ちゃんと押さえといていただきたい。個人的に思っていることについてお話させていただけたらと思います。

最近よく話題になることの一つとしていじめの問題があります。滋賀県の大津の事案をきっかけにしているもんですから、私の地元のできごとで、臨床心理士会でスクールカウンセラーですので、忸怩たる思いがあるんです。実はこれは文科省が出していますいじめの件数ですが、いじめの定義が時々変わるものですから左端が昭和60年で右が29年なんですけども、大津の事件というのは24、5年ぐらいから社会問題化してくるのです。私は京都府の教育委員会のスクールソーシャルワーカーの指導するということもしています。今、学校現場に福祉の専門職がカウンセラーとは別の立場で入っています。

宇治市内、実は私の立場から結構しんどいという言い方は不適切なのかもしれませんが、福祉課題を沢山抱えた小学校、中学校が多いものですから、宇治市にもスクールソーシャルワーカーが、市単独で入れているものと、府教委の方から入ってくる部分がありまして、そこにかかわらせていただいています。まぁ他にも京都市とか大阪府、和歌山県なんかで同じような仕事をさしてもらっているんですが、まあ宇治特有のいろんな状況があるなと思っています。

ちなみにいじめというのが各学年、小1から高校までありますけどもどの学年で発生するかというと、実は昔の常識が中学校中心。ところが今、小学校の方が低い方から出ている。実は京都府のいじめの認知件数は、昨年分が全国で二番目に下がったんですけども、元々はずっとこの3、4年は一番。全国47都道府県でいじめの認知件数が一番となりました。また10月にそのデータが文科省の調査結果ということであと1ヶ月ほどで公表される予定ですが、そういう状況になっています。ただ、これは一番争いという順番じゃないんです。ただ京都の先生方は少なくとも他所の県に比べて、ささいと思われることでもしっかりと統計に挙げておられるという意味では京都府の教育現場としての特徴だなと思っています。一方でいじめというのはもう人が死ぬくらいだから事件じゃないか。警察の統計を見ますと、文科省の統計を見ますと25年ぐらいからがんと右肩上がりなんですけども、実は警察が事件にできるような案件と言いますと昭和60年頃は2000件くらいあったんです。ところがそれが平成になるとともに下がりまして500件に行くか、いかないか。どうかすれば200台で推移していたのがまあ、大津の事件等があって、で、これが大体10年周期ぐらいで時々いじめが話題になりまして、その時にやや統計的には増えるというこういう凸凹の状況で推移ということです。これがまあ子供たちのつまり事件としてどう立件されたかじゃなくて、子供たち全体の状況としてどういう状況と理解すればいいのか。少なくとも先程のデータのように、いじめの件数は文科省のデータで言えば右肩上がりでどんどん増えてるんですが警察が、事件にするよというような事案ではないものがいじめという形ででできている可能性がある。このあたりが学校の先生方が目を皿のようにして、皆さんドラエモンってご存知でしょうか。ドラえもんの中のいじめっ子って、主人公の名前もよくわからないところですが、あのジャイアンというごついのが、今、ジャイアンみたいなタイプはいじめっ子ではないんです。いじめられっ子なんです。あの中にスネ夫という、ちょっと性格どうなんというのがいます。あれがつい此間までのいじめの主役、イメージです。今はしずかちゃんです。女の子です。もう誰から見てもええ子や。これが実はいじめの主人公なんです。表では全然出さない。これは多分皆さん経営者側として考えるとハラスメントみたいなことがあってあいつは将来的にいいやつだというのが裏で何かみたいな、こんなことをいい出すと疑心暗鬼になってどうしようもないですけども、まあしかしですね、人間関係、かなり変わってきている。それは子供が変わったと言っても5年生でも、5年生は子供は子供で社会的になってきますから。

警察が非行ということで、正確に言えば刑法犯という、まあ法律の中で大きく分けるとこういう刑法犯関係とそれから薬物をやりましたとか、交通事故を起こしましたとかというような特別防犯というのは別れるですが、昭和の初めから子供たちの非行はどうなっているのかいうデータです。みなさんが15~20歳のときにどのあたりだったかどういうのを見ていただいておいたら。戦後この水色が少年の事件です。検挙歴、警察が捕まえた人数ですね。だいたい昭和39年、東京オリンピック、或いはそこに名神が通りましたという時代、それから58年、このあたりにピークがありました。特に58年ピークは山です。この後はもうほとんど右肩下がりです。これが経営業績なら大変ですね。これで業績が下がって困った業界とはどこでしょう。困ってはいないですが、宇治少年院ですよね。なくなったでしょ。もう沢山いないからです。明後日、大阪で学会があります。大阪のミナミの泉南学寮というところに宇治少年院の機能が移っているんですが、機能が変わっているんですが、当初建て替え予定だったんですがやめました。もうチョッと年齢のいった若い受刑者、少年院とは少年法ではいる施設ですけども、刑務所、刑務所なんだけど若い人が入る刑務所で、この辺で有名だったものに奈良少年刑務所.ある世代の方はドリームランドなんて、ドリームは今はどっか行っちゃいましたからね。でもその近くにあった奈良少年刑務所も先年たくなりましたね。星のリゾートとか言う所が買い取って、もうすぐホテルとして放射状の一望監視型というヨーロッパに端を発する刑務所の形式が残っている歴史的建造物です。要するにこれだけお客さんが減っているから鑑別所ガラガラ、少年院いらねい。少年刑務所も代わって必要なのが何かというと別に増えているわけじゃないんですけども、この黄土色の線が人口比としての大人の犯罪です。平成15年ぐらいから減って、右肩下りで。ただ子供の減りがこの折れ線グラフは人数です。人口比です。一番新しいデータも次のが間もなく出るんですけども、子供の全体比、数。事件としては昭和58年がだいたい32万件ちょっとでした。今5万件.6分の1です。売上がこれだったら大変でしょう。少年の方の人口比でいうと10万人あたりで493人、ところが大人は607人。子供たちの非行のほうが幅が広いんですが今、事件を起こしている割合で言えば大ざっぱに言えば大人の3分の2しか少年は非行しない。もっと言えば非行できないんですよ。で、こんな若者に誰がした。それは地域と学校と家庭が頑張った結果子供たちの非行は増えなくなったんですね。大人ぐれてるんです。まあ、その結果、私の専門の一つであります犯罪学、或いは刑事政策の世界では刑務所の高齢化が進んでいます。先般もニュースに出ていましたけども刑務所の倉庫が受刑者のためのおむつが入りきらずに、新たにコンテナを発注したという状態なんです。まさに皆さんの歌にありましたように社会の求めに応じて頑張っていただく、その社会というのをどうとらえるかという中で、少なくとも今の子供たちの状況というのはどこまで正確にとらえられるかというあたりが悩ましいなと常に思っておりまして、まぁその辺で言いますと今の子供たちいろんなことで話題になります。まあしかし少なくとも非行はここまでしなくなった。或いは今日データはつけていませんが、このピークをちょっと意識しといていただきたい、昭和58年です。ちなみに私は実はこの山のあるところで家裁調査官で働いていました。めちゃくちゃ忙しかったです。後輩たちのなんとのんびりしているという訳じゃないんです。対応はすごく難しかったです。昔のやんちゃ系はやんちゃ系って見りゃわかるし、どう対応するかというのも当たりがつきやすい、つけやすかった。今の子供たちは先程のしずかちゃん型ですから、その子の問題点を洗い出してどこから始動するのという話になるとこれは簡単ではありません。校内暴力、先程の58年のデータはここには出ていない。その頃こちらはものすごく多かったです。この間、沈静化してたんですが中学校の沈静化路線なんですが合計が増えている。なんでかというとこの点線ですね。小学校の校内暴力がこの10年間で10倍以上増えている。1800件、2000件だったのが今2万8000です。ですから線がちょうど合流してますけども中学校の校内暴力の数と小学校の校内暴力の数、絶対数においてどちらも2万8000で一緒なんです。これはオールジャパンの話です。実は京都府はこれよりもデータで、校内暴力が多いです。だから今、小学校の先生はしんどいんですよ。むちゃくちゃしんどいです。しんどいというのは何を指すかというのはともかくとしてそういう状況はあります。

不登校ということに関してちょっと長い目で見ますと、もともと戦後、学校に行こない子供、長期欠席の子供の理由というのは大きく三つ。一つは病気がある。

左が小学校、右側中学校です。小学校で来れない子供が多い。実際小学生ぐらいだと病気で亡くなってしまうという子供たちもいました。

それからもう一つは経済的理由。貧困ゆえに学校に来れない。このあたりについては宇治も含めて関西の先生方の対応力というのは非常に高いほうなんです。

もう一つが障害。重度の知的障害があります。いろんなものを持っているので学校に来れない。その三つが主な理由だったんです。1965年からその三つに入らない今で言う不登校、昔、登校拒否とか、或いは学校不適応と言われていたような子供たち、これが実は黄緑の線なんですけども、もともとはそういう種類を想定しなかったので統計はなかったんですけども1960年代の真ん中ぐらいからその統計を取りだしたんです。中学校でもイメージしといてもらいたいですがこの矢印のところというのは実は先程の非行の昭和58年と同じです。この年ぐらいから不登校が右肩上がりでギューと増えます。代わって先程の非行が急に減るわけです。ちなみにこのグラフで見ると、皆さんが若かりし頃はどの辺ですか。私はジャスト65歳なのでまぁこの辺はしっかり働いていましたけども。まぁそれぞれ時期の非行パターンがあります。教育の問題というのは自分がどういう時代にどのように経験しているかによって実はかなり認識が違い、その認識を自分の子供や今の若者たちに当てはめて考えるので時々、何か方策がちがうんじゃないのと思ってしまうようなことがあるんですが、まあいずれにしてもこのあたりまで不登校は目立たなかったんです。それが非行が減る代わりのようにガーンと増えてるということ。それがガーンと増えだしたので50日ではなくて、途中から30日で、30日休んだ時にカウントしようと言うことになったんですが、ほぼ同じデータが出ています。

そのあとほぼ横ばい、やや減ぐらいで子供たちがこの辺から減りだしますから横ばい状況だと、もう経済的な理由なんてほとんどいなくて、障害だからとか、病気だからとかという人がごく一部、まぁこんな状況です。

一番新しいところのデータです。実は私は国の方で、文部科学省のほうで日本全体の不登校の増加傾向に対してどう対応するかという委員会がありまして、あそこの会長代理というか、まあそういう役もやらせていただいて、今も一番新しいデータは手元に来ているんですけども、この間の動きで、上が中学、下が小学校、真ん中が人口比で合算しているものです。平成24、5年ぐらいから全国的に示し合わせたように不登校増加傾向なんです。小学校も増えています。中学校も増えています。これは今、不登校というのは1年間、単年度の中で30日休んだら不登校ということになります。ところが、では30日以上か、以下かなんて言ったら乱暴なので、実際どれぐらい休んでいるのということで、統計を変えてもらって、我々の委員会で依頼をして日本中の学校から詳細データを集めたら30日以上休んでいる子は大体14万人、公立で。そのうち90日以上というのは8万ですから6割7割ぐらいが8万人ですから90日以上休んでいる。90日というのは何かというと、1年間に学校に行かなきゃならない日数というのは大体180日ちょっとなんです。ですから全体の半分以上来てないよと言う子が不登校の6割7割いう状況が今の状況です。まあ逆に言えば、宇治市の人口はこんなものではなかったですか。不登校14万人ですから。日本中でそれぐらいこない子がいるということ。

ちなみに不登校ってどれぐらいの学年に集中するのかというと、これも不登校関係の世界では当たり前なんですが小1~小6まではトントントントンとほぼ毎年増加率が同じような感じで、中学校1年になると結構ドンと増える。で、中1ギャップと言う。中1だけじゃなくて中2にも上がるんですが中3になるとさすがに進路の問題とかいろんな問題があってでしょうが、ちょっと伸びが抑えられる。これが全国がこの傾向です。京都府でもこのような傾向が見られます。何で不登校になるのか。

ちょうど1ヶ月ほど前にNHK が不登校の特集を2回ほどにわたって組みました。それに合わせてNHK がLine を使って現在不登校真っ盛りの中3に、なんで休んでいるんだというアンケートを取ってくれた。この水色のほうは文部科学省がやっている不登校理由なんです。水色の方で行くと教員との関係というのは2.2%なんですね。ところがNHK が直接子供に聞いたら23%が先生との関係で学校に行かれない。他にいじめがある。部活動がある。決まりがいやだった。学校の先生に不登校の理由を聞くと、ほとんどが家庭がむつかしい家庭に言う言い方をされることが多いです。子供たちの正直というか、僕の学校へ行かれないのは家庭のせいですわといっている子が2割いるんです。きれいにみんな2割にしているということなんですね。私は昨日は岩手県に夜まで行っていて、最終便で帰ってきて、今日はこれが終わるなり鳥取県に。不登校が非常に多くて教育委員会の方から2学期始まっての初期対応をどうするかと言うことでの指導に行くんです。例えばこの先生との関係が、ですね、不登校の理由だと気持ちを子供が23%持っているわけです。先生は2.2%しか持ってない。なので私が迎えに行けば子供たちは来るはずだと信じ込んで家庭訪問などをするわけです。子供の方はあんたがいるからでしょうって思ってたとしたらですよ、こんな不幸はないですよね。これはむしろ皆さんのほうがお詳しい。今働き方改革。働き方改革というのは単に時間を短くするのではないですね。生産性を上げておかないと働く時間が短くなった分所得が減るわけです。学校の先生方も時間の短縮の問題ではなくて自分のやっていることがどれぐらい効果が上がるか、その効果が上がるためには何でそうなっているかどういう業務分析が必要なんですね。これが教育業界は今まで欠けていたというか、非常に苦手です。とにかく結果はどうあれこれだけ信念持ってやっているのにガチャガチャ言われる筋合いはないみたいな感じがどうしても強くでてしまう。このあたりを今、学校現場変えなきゃいけない、いうような期待に事態に立ち至っているということです。

実は義務教育機会確保法という法律が3年前できまして、今年、参議院選も終わったのでこの法改正、内閣の改造も終わりましたし出てくると思うんですけども、実は知っといていただきたい。今ね、一昔前ならば不登校というのは学校に行かないことが恥ずかしいことだったり、或いは場合によっては悪いことだった、という認識が社会にありました。今不登校というだけで問題行動であると受け取られないよう配慮しなさいという法律で、学校に対して強く要請されています。この間もある学校で、校長先生がうちの学校には不登校やいじめといった問題行動がありませんと胸を張って言ったら、不登校を問題行動の一つだと言ったといって思い切り叩かれて、校長と教育委員会が謝らなきゃいけなかった。これはこれでいいのかいということについては、まあなんせ国会でお決めになったことで、学校現場でもいろいろな考えがあります。まあ、ある意味でいうと、不登校というのは学校に戻すことだけではなくて社会的に自立できるかどうかということが重要で、実は私も中学校から高校まで不登校してまして、高校は工業高校4年かかって卒業した人間なんです。ですから不登校については昔から関心があるんですが、幸い社会的には何とか自立して定年を迎えられそうです。でも不登校の中には確かに引きこもりになってしまう子供たちが、一群います。一方で今は中学校3年で不登校でも、大学進学率は3割~4割確保されています。ですから一枚岩での話ではないんですね。やはり不登校という子供たちをどんなふうに、一人一人の違いがある、そこをどう見ていくか。

時間がありませんので虐待のことについてお話をします。

虐待の厚生労働省のデータが16万人になった。実は宇治市の、私の認識ですけども宇治市は大久保のところに児童相談所がありますね。一時期、宇治は中央児童相談だったんですが、今は東山のほうにセンターが移っていますが宇治市に児相がある。このデータはその京都府の宇治児相とかいうような、児童相談所がやっているだけの件数なんです。宇治の場合には宇治市も虐待対応をしています。この件数はこれで入ってこないんです。ですから日本で虐待が16万件ありますというのは不適切な表現です。これは都道府県レベルの統計しか取ってないという欠点がありますが、いずれにしてもこのようにどんどん増えています。実は私はこの問題に取り組みたくて裁判所をやめて大学を出た人間なんです。なぜかというと虐待というのは身体的、身体的、性的ネグレクト、心理的虐待という。この心理的虐待の中にDVがあれば虐待だと言うことも、この間話題になったんです。こういう子供たちにとても不安定な心理状態、或いはすぐ僕なんかはいないほうがいいんだとか、死にたいとか、いうようなメッセージが出てきます。私の立場から言えば、例えば家庭裁判所で、何回少年鑑別所に入れても、少年院に入れても、保護観察をつけても、再犯を繰り返す子がいます。こういう子どもたち、なんでやろ、全体で言えば1割5分くらいなんですけども丁寧に見ると根っこに虐待があります。

もう一つは自傷的、自分を傷つけることです。ヘッドバッティングというのは頭をガンガンガンあちこちぶつける。それから歯が生えてくると自分の体を噛みまくる。思春期になるとリストカット、自分の体を切り刻む。リストカット、アームカット、レグカット、あるいはスキンステッチなんていうのが今流行です。まあこういったような自傷的傾向があり、もちろんこの延長には自殺の可能性が非常に高い。この攻撃性と自傷性、これらの特徴は就学前から見られます。ですから幼稚園ぐらいで噛みつくとか、或いは傘で本気で友達の頭やら目をねらって攻撃してくる。こういう子供たちというのは予後も非常に悪い。低年齢から非行やっている子はみんな悪いみたいですね。背景に虐待のある子はかなりしんどい。しかも最近の科学が進んでくると脳の画像診断が撮れるようになったので脳の形が変わってしまってるということがわかるようになっていきました。これはちょっと友田明美の著作権があるので、皆さんの手元にありませんが、ネットでこのテーマを見てもらったらわかります。虐待を受けている。例えば小さい時から暴言暴力のうち暴言を吐かれて、お前なんかどっか行けとか、死ねとか、要らんとか、耳から入ってきたのを脳で処理する言語野と言われる、或いは聴覚野と言われる、そこのところが形が変わってしまう。この間、児童福祉法改正されて、しつけのためでも体罰は禁止というふうに言われました。それの科学的根拠はこれなんです。幼少期から叩かれて育つ子供は脳の前頭前野、人間脳と言われる、自分が何かやりたいと思った時にブレーキをかける。ここが2割減るんです。我々2割減ったら大変ですよ。次の卓話の日なんか絶対覚えてませんからね。なので一生懸命くるみまわしたりいろいろするわけです。あれだって2%も差がでないですね。20%削られてしまう。或いは性的虐待を受けた人は視覚野、このように脳がどれほどボロボロになるかということが見えてきて、もっと根本的なデータとしては、このACEスコアというのは、児童期に平たく言えば虐待みたいな背景をもっている人ということでこの左側です。10本、身体的虐待、性的、それからネグレクトを身体と心理に分けています。心理的虐待。それから親に DV がある。親が薬物依存、アルコール依存がある。精神疾患がある。親が服役している。親が離別している。まあ、離婚はいけないということではないしということで、一つ二つある子がいるかもしれません。でもスコアが4項目以上増えると、喫煙の割合が2.2倍、肥満が1.6、薬物依存に至っては4.7倍から薬物によって9倍、それからアルコール依存症になると7.4倍、自殺未遂の確率が12倍、致死リスク、つまり死ぬか、死ぬようなことをする行為4倍、この辺になるとかなり不幸な人生です。スコア6、このうち6項目あると、すると寿命が20年短い、或いは貧困が連鎖する。これはアメリカなんかでもご縁の深い方がいらっしゃると思いますが、アメリカは国民皆保険がうまくいってないですね。平たく言えば、例の、私たちが車にかける任意保険と同じように、死ぬ確率の高い人の保険料を上げないといけない。そのベースとなるデータをアメリカで1900年代からカリフォルニアの南のほうでとりました。こんなデータを取ろうと思ったら虐待を受けた人がこうなりますよというのは、何十年も見ないといけない。それをやった結果、アメリカの連邦保険省と企業体がリンクした結果、要するに早死する要素というのはまあ、成人病になっているとか、コレステロール値が高いとか言うこともあるけども長い目で見たらこのファクターが大きい。31.24最近ACEスコアが今アメリカで発表されて以来、日本でも例えば小児科のお医者さん、精神科のお医者さん、我々犯罪学や心理学をやるものが寄ってたかってこのACEスコアー、日本での追体験をやっている最中です。非常に近い値がやはり出てくる。ですから虐待というのは子供が死んでしまうということでよく話題になります。しかし、大人になっても、大きな影響が残るのですネ、ところで、年間日本では何人の子供が虐待で死んでいるかと統計がありません。厚労省が出しているデータで70人ぐらいなんですけども、多分私は虐待の学会の役員でもありますけども、推定している数字はだいたい一日、300人から400人の子供が死んでいるだろ。そういう意味でいえば目黒の事件とか、野田の事件はちょっとふり回わされている案件なんだろうと思いますけども、それはそれとして今の子供たちの問題、あえて言えばこの問題、まあ、しかし先程言いましたように非行が減っているというところから見れば、これだけ大騒ぎしつつも虐待対応は結構うまくいっているという側面もあるんだろうと思います。ただ、今、子供の死亡の第1原因、第2原因というのは、低年齢の場合には小児がんと事故死なんです。日本特有の事故死のパターには溺死、溺れるというのがあります。その中にはお風呂でも溺れる、そういうタイプがあるということ。もう一つ厄介なのは中学生、高校生年齢の死亡の第1位は自殺なんですね。今の子供たちは非行をしない代わりに学校に来れなくなってたり、自分で命を絶つ子どもたちも馬鹿にならない数がいるんだ。そういう中で彼らに未来を託しながら私たちは順番にこの世を去りたいと思うわけで、まあ、其の辺で考えると社会全体として今、何を考えるかということでお約束の30分が来ておりますのです。ごめんなさい。勝手なことをしゃべらしていただきました。本当にいい機会を与えていただきました。ありがとうございました。またこの辺りをウロウロしておりますので一緒に何かできたらと思っております。よろしくお願いします。

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