音楽のもたらす力

2019.7.25 

音楽療法士  

京都国際音楽療法センター 音楽療法指導員 

鷲山和貴子

皆さんこんにちは、石津さんの方からご紹介いただきました音楽療法士の鷲山ですよろしくお願いします。簡単に音楽療法について説明します。まず自己紹介から。来年は2020年、この仕事を始めて20年ほどになります。普段は高齢者施設、主にデイサービス、老健等々の高齢者施設での音楽療法、それから障害のある方の成人、または子供さんの施設における音楽療法、また、最近いろんなところで出来ていますが放課後デイサービス、そちらでの音楽療法。これは主に月1、2回ずつ施設に訪問させていただいて音楽療法を提供しております。今、お伝えしたのは大体集団でのグループでの活動ですが、マンツーマンであります個人での音楽セッション等々行っています。ちなみに音楽療法のことを1回1回セッションと呼んでいます。その他に子育て支援センターで音楽コンサートをしたり、地域の高齢者サロンで音楽を提供する活動をしています。

音楽療法とはどういうものなのか、私たちが所属しております音楽療法センターでの音楽療法の定義があります。音楽療法とは定義として音楽を聞くこと、歌うこと、或いは演奏することによって人と人との間で心理的なコミュニケーションを図り、心身の障害の軽減、回復、機能の維持、 改善を目指すもの。音楽による心理療法の観点から病気や障害を持った人たちと一緒になり喜びを分かち合うことを目指す療法、これを定義とします。なかなか言葉で聞くと大変難しいかと思います。簡単に申し上げますと音楽を使ってある目的を行っていくものです。といっても簡単にどの音楽でもいいというわけではなく音楽を利用する利用者さんたちに合わせて体を動かしやすいテンポの曲、和んでもらったり、スローテンポの曲、歌いやすい曲を提供していくということです。歌うことで肺の機能とか、嚥下機能の訓練になったり、気分転換、また楽器を演奏していただきますが楽器といっても太鼓や鳴子や、カスタネットいろいろありますがその楽器を演奏していただくことで上肢、下肢の運動、それから手首の運動、脳への刺激、そして自己表現の拡大と言ったものに繋がるということで音楽療法をしています。実はこの音楽療法というのは歴史は長いです。言われておりますのは古代エジプトまでさかのぼります。音楽が癒しに対して効果があるというのは古代エジプトから伝わってきていますが、それは世界第2次大戦で欧米のほうから始まったものなんです。軍人さんが戦争によってトラウマを受けたところに音楽家が行きまして、そこで音楽を提供することでトラウマの軽減になったり、治りが早まったということで音楽療法が始まったといわれています。日本にとりいれられて知名度が上がって来たのは最近のことになります。音楽療法、それぐらい長い期間を持っているということです。

では音楽療法の効果はどうなのか。

まず一つ目として言葉、意志疎通に障害がある人。人と人とのコミュニケーションが取りやすくなるということがあります。以前、私は頼まれて失語症の方々のグループでお仕事で寄せていただきました。ある病院ではこの失語症の方々に音楽療法がいいと、治療に採り入れられていることもありますし、失語症の方のドラマでも治療の一つとして入れられていました。

二つ目は感情を表すことが乏しくなっているケースでも懐かし歌で記憶を刺激して感情を蘇らせてくれる。認知症の重い軽い方々によって曲を変えたりしながら提供しています。そして歌いながら楽器を演奏をしますが人間は二つ以上の動作を一緒にすることで認知症を予防するといわれていますのでその効果を目的としてるということです。

四つ目がリズムに乗せることで自然な体の動きを促すことができて、体を健康に保つことができる。

五つ目、集団の中で自分表現をすることで人との関わりを楽しむことができる。これが主な効果です。定期的に寄せてもらうところ以外に、緩和ケアの病棟等で音楽療法をされたり、私の経験ですが失語症グループの他に若い方ですが余命がもうあと少しだという方が一緒に歌いたいということで呼んでいただいてセッションさせていただいたことがあります。こういういろんな場面での音楽の提供をさせていただく仕事です。

脳トレをこれから行います。お付き合いください。

動作の説明。これに歌が入ります。で、テンポアップをやります。クロスしながら、しかも歌いながら指先を動かす。これらの行動をしていくということはなかなかトレーニングになります。歌がなかったらすごく機械的な感じですが、ちょっと馴染みのある歌詞を思い出しながら音楽を採り入れて遊びとして進めています。

脳トレにはいろんなものがありまして、幾つかこの後、お付き合いお願いします。

2人ずつのコンビで向き合います。まず右と右の手のひらを合わせます。その下に左と左を合わせます。これを左手を離して右の上に持って行きます。そして下に来ている右手を離して左の上に乗せていきます。交差します。左手を離して右手の上で交差、右手を離して左の上で交差させます。これに桃太郎さんが入ります。リズムに乗ってください。

今度は下の手を上にあげました。上の手を下に。逆なので簡単でしょう、では。脳トレはできる、できないの問題ではありません。できなくてもいい。ただワイワイ皆さん楽しみながら笑いながらやっていくこと。このトレーニングは脳トレの一つです。

キーワードクイズ。童謡唱歌から昔の歌謡曲を選んでいます。

月、日、海で何という曲、海は広いな大きいな。

次、花嫁。瀬戸の花嫁。

では、夕波小波、あなたの島へ、

風、テープ、航路。憧れのハワイ航路。

仲間 クラス 校舎 高校三年生。

こういうキーワードを、歌詞に出てくるキーワードを少しずつ出しながら少し考えていただいて遊んでいただいたりしています。

では最後、脳トレ、音楽をバックにかけながらそして口ずさみながら両手を動かしていく。こういったゲーム、脳トレをしながら笑ったりお話されない方も自然に笑われたり、周りの方とお話されてコミュニケーションをとったりして効果が発揮されて.精神的な安定に繋がって、日常生活の充実に繋がっていくという目的を持ってやっております。どんな音楽を利用するか。そしてどう使うか。それを計画してより良く効果をもたらしていくのが音楽療法であり、私たちにとっては笑顔がこぼれる、思わず笑顔がこぼれる、そんなすてきな仕事だと自分たちで自負しているところです。療法とあるんですが音楽の使い方ではどなたともこうして一緒にたのしんでいけるものだと思っています。今日は時間をいただきありがとうございます。私たちが必ず最後に歌うものがあります。都はるみさんの好きになった人、ありがとうございました。

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