「地区学友会について」

2020.2.20

~自身の経験をもとに~

国際ロータリー第2650地区 地区学友会

ロータリーフェローズ 会長 吉岡毅

ただいま紹介いただきましたロータリーフェローズ吉岡毅と申します。よろしくお願いいたします。今日はロータリーフェローズ2650の取り組みについて皆様にご紹介をさせていただきたいと思っています。

まずは私の自己紹介をさせていただきます。今、中島さんからもご紹介をいただきました1933年平成5年の12月5日に生まれました26歳です。仕事は春日大社で秘書をしております。私は2009年に奈良市立一条高校インターアクトクラブに入りました。そこから活動して参りまして2012年からは大学の進学とともにローターアクトクラブに入りまして、2016-17年度にライラを受講させていただきましてインターアクトクラブとライラの学友ということで2016年に発足いたしました地区学友会のメンバーでもございます。今日は地区学友会について皆様に知って頂こうということで参りました。

ロータリー学友という言葉はあまり皆様には聞きなじみがないかなと思います。このロータリー学友という言葉が出て参りましたのは2014年10月27日から30日までの間にアメリカのイリノイ州エバンストンで開催されましたRI 理事会がきっかけでございました。RI 理事会の決定38号でロータリー学友という定義を作りまして「ロータリー学友はロータリーファミリーの価値のある一員である。彼らはロータリーの価値を共有しロータリープログラムへの参加経験を持っている。学友と各プログラムを通じてロータリーを経験した個人を指すものである。」こういうふうに定義づけをされました。それまで学友と聞かれますと米山奨学生とか、財団の奨学金プログラムで留学に行かれた方が帰ってこられると学友と言って各クラブで卓話をされたり、各地でロータリーの学友として活動されておりましたけども、それ以外のプログラムでもロータリーの経験を持っている人たちが沢山おられる。ということで、こういうロータリー学友という定義ができまして活動を進めていくということになって参りました。

この決定を受けまして私どもの地区では12歳~18歳まで高校生が入りますインターアクトクラブ、18歳〜30歳までが入りますローターアクトクラブ、それから高校生の時に海外に滞在する青少年交換、20代の若い人を指導者に育成するライラ、それからロータリー財団、米山奨学会、この6つのプログラムをあわせまして2016-17年度にこれらの経験を持つ人をまとめてロータリーフェローズという形で学友会を作ろうと活動をし始めました。いろんなプログラムに亘っておりますとインターアクトクラブを卒業したばかりの方は18歳の大学生や社会人になったばかりような方々ですし、ロータリー財団の奨学金プログラムで留学に行っておられた方というのは、大学の教授をされている60歳ぐらいの方もおられる。なかなか幅広い世代が集まっているんですが、私たちは各プログラムからの学友を集めて幹事会を作りました。それぞれの学友たちの取り組みを共有しながら独自の活動をしていこうとガバナー事務所を借りしまして幹事会を月に1回開催してこの組織を運営しています。

2014年に定義ができましてから最初にこの学友会を作ろうと動き出したのが刀根ガバナーの年度でございました。2016年7月から地区学友委員会というのが地区に出来上がり、既存でありました財団学友会、青少年交換学友会と米山学友会の3つに青少年プログラムを修了された方々を加えて「どういう学友会をこれから作っていくか」会議を重ねていきまして、2017年3月5日に最初は「地区学友連絡協議会」という名称で各学友会の橋渡しをするような会といして設立レセプションションを行いました。この時に会長として京都西ロータリークラブのロータリアンで元ローターアクターの山崎功詔さんを会長に6名のメンバーが役員になりしました。最初6名というのは各プログラムを網羅しておりませんでして、そこからいろんな方に声がかかりまして私も2017年5月に初めてインターアクトクラブの学友ということでこの会に参加しないかとお誘いを受けまして参加をさせていただきました。そういうことで各プログラムから出て来ていただいた学友の中で動いてくださるような方を幹事にしようと6月17日に「地区学友会」と名称を改め「ロータリーフェローズ2650」という呼称をつけて設立総会をして、実質の活動は2017-18年度から開催をすることで進めました。RI もこういう地区の学友会という組織を認証していくような取り組みをはじめました。私どもは日本で二番目に当時の RI 会長より認証を受け、RI学友会のネットワークにも加盟した正式な学友会として活動をさせていただいております。最初にできました学友会は隣の大阪の2660地区学友会で、これもロータリーフェローズ2660と呼びます。このような学友のことをロータリーフェローズと呼ぼうという動きは各地に広がり、各地区で学友会が出来ています。近年ですと2710地区(福岡)、2720地区(熊本・大分)もロータリーフェローズ2700、ロータリーフェローズ2720と、学友会をロータリーフェローズという呼称で作るという動きができてきております。私どもも日本で二番目ですが、2650地区は様々な方がすぐにご協力をいただいて設立当初からいろんな事業をすることができました。そうなりますと国際ロータリー世界本部との繋がりもできました。2017年11月にはRI 職員で学友担当が来日され、私どもの取り組みの取材をされました。逆に RI の取り組みを伝えていただくということでラジオに出演をする交流もしていただきました。それ以来2650地区とRI 世界本部とが緻密に繋がっております。いろんな活動をするにしてもRI といろんなことができる仕込みもできが上がってきております。

どのような活動をしているかですが、まず2018年からロータリーの特別週間に「ロータリー学友参加推進週間」というのが10月7日を含む1週間と決まっております。これは学友とロータリーを「再びつなごう」ということで英語ではRe Connect Weekと申しまして、1週間を学友が参加推進をするための週間にしようと決まっております。2650地区の学友会では様々な方を集めてまずは学友同士の顔を知るということと学友とロータリアンの繋がりを再び持とうということで、京都から奈良へバスを出し奈良の社寺を回るエクスカーションをさせていただきました。この時は東大寺と唐招提寺、私どもの春日大社を回らせていただきました。各社寺の長老がロータリアンということで長老に直々にご案内をいただき、東大寺では大仏様の膝下まで上げていただくという貴重な経験をさせていただきました。再びしばらく離れていた学友とロータリアンとの交流、現役プログラムの時はお知り合いにならなかった方々との交流を行いました。参加していただくことによって新しい仲間を作ってということで活動させていただきました。

その他に奉仕活動といたしまして、四条のマルイ前でポリオ撲滅運動にみんなで取り組もうと募金活動をしました。当時の中川基成ガバナーも写真に写っております。元インターアクターですとかローテックスとか、様々な世代の方が同じ赤いTシャツを着て立ち募金活動を行いました。

立ち上がって数年ですのでこんな活動があると知っていただこうとメールマガジンを会員に配信しています。例えば、ロータリー地区大会がこの日にありますよとか●●クラブさんでは●●活動で人を集めておられますよ、言うことを定期的に発信しまして、興味ある方に参加してもらう。参加された方には SNSでリアルタイムな活動の様子を配信して、学友が再びこのようにして活動していることをご紹介しております。それに加えまして地区のホームページにもページを設けております。私どもがどういう活動をしているかということが載っておりますので、ぜひ一度見ていただけたらと思っています。

加えて、この学友会の活動が活発ということでガバナー月信やロータリーの友またRI のWEB サイトにも活動の様子を掲載していただいております。私たち幹事会はいろんな会に参加し、このフェローズという名前を広めようと、今日のように貴重な時間をもらって卓話をしたり、地区行事でのお手伝いなどをさせていただき、フェローズてなんだろうということを知って頂こうと活動しております。

またIMやインターアクト地区大会、ローターアクト地区大会を回わってのPR 活動、それから最近では他地区の学友会との交流。いろんな人材が学友会にいますからその学友を要望のあるクラブへ卓話講師の派遣をやっております。

ここからは、なぜこういうふうな学友会の活動を熱心にするかという話を私の経験を交えてお話したいと思います。学友にはそれぞれ何か活動を通してロータリーに感謝をしておりまして、ロータリーでの縁を更に繋げていきたいと考えている者が多いと思います。

私自身もロータリーとの関わりは高校生からです。2009年に奈良市立一条高校に入学するまでは、ロータリーと縁の深い家ではなく、父は大阪でサラリーマン、母はパートタイマーで働く主婦です。小学校、中学校と進み、高校に進学する時に、市内でも一番人気のあった高校に行きたいなと心が動き、進学をしました。入学してからは、クラブ活動が活発な学校で「クラブ活動をしなさいよ」と担任の先生から言われ悩んでいたところ、下校中に友達が「吉岡君、クラブ活動決めた」と尋ねるんですね。「いやまだ決めてないねん」と言いますと「インタークラブってあるねん、ぜひ参加しないか」と誘われました。吹奏楽部とかバレーボール部であれば想像がつきますが「インターアクトクラブって聞いたことはないなぁ」と思いました。「それはどんなクラブ」と聞きましたら「ボランティアするんや」と言われたんです。その当時はボランティアということを考えたことはなくて、今でこそそうは思いませんが、当時はなぜ人のために学校終わった後、活動をせなあかんのだろうというぐらいのことを思っていました。「いやぁ、そんなクラブどうなんやろう」と言っていたんです。実は友達はお父さんがロータリアンで高校へ入ったらインターアクトクラブに入れよと言われたので入る気は満々。私はそうじゃなかった。最寄駅で電車を降りたところで「よしジャンケンしよう。負けたら一度、活動に来い」ということでじゃんけんをいたしました。

このジャンケンが私の運命を変えました。このジャンケンに負けたおかげで今ここに立っております。私が人生で初めてロータリアンに出会いましたのは校内清掃でした。僕の最初のロータリアンへのイメージというのは同じブルゾンを着たおじちゃん。その活動に行くと先生、先輩はわかるんですけども、何人か青いウインドブレーカーを着たおじさんがいまして一生懸命、掃除をしてくれるんですね。「この人は誰なんだろう、すごく活発的なおっちゃんがいるもんやな」というのがロータリアンの最初のイメージでした。じゃんけんに負けて活動に参加したのですが、意外と「いろんな世代の方と交流して活動するのは楽しいな」とその経験をもとにインターアクトクラブに入りました。

奉仕活動に自分が主体的に取り組むようになったのは、2010年でした。このせんとくんというキャラクターで有名になった平城京遷都1300年というお祭りがありました。その実行委員長が朝廣佳子さんという奈良のロータリアンです。この方が、天平行列を高校生1300人を集めてやりたいと思っているとインターアクトクラブに協力を求めに来られました。私は奈良市内でも大阪に近い西側に住んでおり、いわゆる奈良府民と呼ばれるような地域でして、奈良のことは全然知らなかったんですね。友達と「奈良も頑張るんやな」と一言ポツリと言いましたら「そういう意志のない人は来てもらわなくて結構です」とおっしゃいました。僕はまだその時ロータリアンのすごさは全然知りません。「何や、このおばちゃん」と思い、一度行ってみようと参加しました。そしたらいきなり「なぜ平城京遷都1300年がこんなにめでたいのか知ってるか」と尋ねられたんです。僕が「都ができたからと違います?」と答えると「全然わかってへんわ」と言われ「勉強せよ」と言われました。ボランティアでこういう活動をするにも必ず歴史の背景とか、いろんなことを学んでやらないとダメだと。「ただただ活動するだけやったら何も意味がないやん」とおっしゃいました。ああ、そうかと思っていろんな勉強もさしていただいた。そういう経験を経ていろんな人と一緒になってやるのがすごく楽しい。交流ができるクラブって楽しいなと思っていました。それでずっと活動を熱心に続けてきました。

高校3年生で初めて奈良ロータリークラブで卓話をしました。その時に「天平祭に関わってよかった」と話しました。「私もあのような人について将来頑張っていきたいと思います」とスピーチを締めくくりましたら朝廣さんが座っておられました。その後、龍谷大学に進学し朝廣さんに連絡しました。ローターアクトクラブという18歳から30歳が入るクラブがあるからそれに入って頑張るんだよと言われまして入会しました。ローターアクトクラブに入りますと地域の活動に参加させてもらえます。奈良には春夏秋冬イベントがございます。その全てに朝廣さんは関わっておられるんです。春になりますと5月に平城京天平祭があるから実行委員会に、夏になりますとなら燈花会があるから実行委員会へ、秋には春日野音楽祭があるからお手伝いを、冬にはなら瑠璃絵があるからお手伝いを、と春夏秋冬で奈良に関わることになりました。ローターアクターとみんな一緒に参加しました。こうした活動では地域の方々と出会うんですね。そうするとロータリアンが多いんですね。インターアクトの時には奈良ロータリークラブのロータリアンしか知らなかったんですが、奈良東・奈良西・平城京・奈良大宮と増えていき地域で活躍する「ロータリアンってすごいなぁ」と思いまして、将来はロータリアンになりたいなと思うようになりました。

京都で一つ素晴らしい出会いをいたしました。千玄室さん、私はこの方に会う機会があったんです。「誰かから戦争体験を聞いてきなさい」と大学のゼミの教授に言われました。で、私はどうしようかなと思って友達と相談をしておりましたら、たまたまテレビで千さんが戦争体験を話しておられました。私は本当に常識がなく知らなかったんです、裏千家というところはいかに素晴らしいか。テレビに出ている千さんを見て友達に「おい、この人、ロータリーで見たことがある。パストガバナーや」と。私の提唱クラブにも中野重宏パストガバナー、岡村吾郎パストガバナーという方がおられて、とても気さくに接してくれるお爺さんなんです。なので「パストガバナーだからきっと話を聞かしてくれると思う」と友達に言えば「テレビに出ている人に話が聞けるなんてすごい。頼んで来てよ」と言われて、提唱クラブのローターアクト委員長に電話して「千さんに話が聞けないかな」と言ったら、「やめなさい」と一言言われました。僕は千パストガバナーがどいう方かを知らないので「なんでやねん」って思いました。これはローターアクト委員長だからアカンのか。年が離れすぎているからなと勝手に解釈をしまして提唱クラブの会長に頼みました。そしたら、「お前にな、千さんが話したろうって言わはったらええちゃう」と言わました。それは「やめとけ、話も聞いてもらえへんぞ」という意味やったと今、思えばわかるんですけども、私はそうか、話を取り付けて来たらええんかと勘違いしまして、京都ロータリークラブの例会に行くしかないと水曜日に例会場のホテルオークラに行きました。今でも覚えています。紙に千玄室様と太いマジックで書いて絶対見逃されたらあかんぞと待っていました。入ってこられる京都ロータリークラブの方々にあの子は誰やと見られながら待っておりました。遠くからお越しになる姿を見て大変なことをしたと気がつきました。でも、千さんに一言、「ローターアクトなんですけども」と言ったら「おぉ、アクターか。僕はロータリアンだから話を聞いてあげましょう」と仰って立ち止まってくださった。「戦争のお話を聞きたい」と申しあげまして、後日お話をする機会をいただきました。この時にはロータリアンとローターアクターってこういう関係で恐れ多いことを言ったけどもちゃんとこうやって話を聞いてくださるんだなとそう思ったことが記憶にございます。後日、裏千家の兜門の前に立ったときには震え上がりましたがお話を聞かせていただきました。このことで奈良ロータリークラブでは「千さんに話を聞いたんか」と驚かれ、地区でも千さんから話を聞いたらしいなということが広がりました。これがきっかけになり全国のロータリアンと出会うようになりました。今では南は九州から北は福島県までお知り合いを作ることができるほどです。それに加えまして、ローターアクトでは同世代の友達が世界中に出来ました。国際大会の大会前会議やアジア太平洋地域の会合に参加すると全世界からローターアクターが集まってきます。そのような出会いがありました。ロータリーがいろんな縁を作ってくださっていると今でも感じております。

このように頑張っております姿を神様が見てくださっていたのでしょうか。浄土真宗の学校に行った私ですが神社に奉職しました。就職活動をしてなかったのではなく、別の会社で内定をもらっておりました4回生のあるとき、例会に出席しましたら「ところで就職活動をしてどこへ行くの。」「ちょっと東京に」と言ったら「ええ、奈良から離れるの」とみんなに言われました。春日大社の宮司さんに声を掛けていただいて最初は冗談かなと思ったら職員さんから電話で「春日大社を受ける気はありませんか」と言われまして12月に急に内定をいただいた会社を蹴って春日大社へ奉職しました。春日大社に奉職してからもロータリアンの素晴らしさを実感しました。神社の総代や責任役員は、ほとんどロータリアンです。やはりロータリアンって素晴らしいなと改めて実感しながら仕事でもロータリーを活かしております。

私は15歳のときにインターアクトクラブに入りました。30歳でローターアクトを卒業すると15歳から30歳までの15年間、人生の半分はロータリーと関わり育てもらいました。僕にとって最初のロータリーへのイメージは憧れだったんですが、それは今も変わりません。どこのクラブへ卓話に行っても、それぞれの地域のリーダーが入っておられるのを感じます。私も30歳になれば、次はロータリアンにと思って、大学2回生の頃から「ロータリアンになりたい」と言い出しました。ある時「ロータリアンになるだけでいいのか」と尋ねられ「ガバナーになりたい」と言い出しました。私は今では「RI 会長になりたい」と思っております。「僕の人生を見てくれたらロータリーが素晴らしいということがよくわかる」ということをRI会長になったら世界各地でスピーチをして、新しい人を、新しい世代をロータリーに結びつけたいと考えております。

このようにロータリーに熱い思いを持っている人が学友会にいると思います。学友はロータリーで様々な経験をさせてもらって、様々なことを得てきている。そうするとやはりロータリーにその恩を返したいなと思っています。そういう人を集めて学友会をやっているということでございます。

最後にお願いになりますが、皆さんの周りに学友に該当する方がおられると思います。そういう方を1人でも思い出したら「フェローズに参加してみないか」と声をかけていただきたいと思います。入れば熱心に活動をしなくてはいけないではなく、登録をしていただくことで、こちらから活動情報を送れるようになります。その情報を得て自分がやってみたいなと思ったら参加をしていただく形を取っておりますので、もう一度ロータリーと縁を持つ機会として学友会を使っていただけたらと思います。

私はこの会に関わるようになってから、米山学友とかロータリー財団学友の方とご縁が出来ました。ローターアクトの例会に学友をお呼びして卓話を聞いたりしております。1人でも多く再びつなげて、この活動を盛り上げたいと考えております。宇治鳳凰ロータリークラブさんでも、一度関わった方々をまた再びロータリーにつないでいただければと思っております。今日は30分の貴重なお時間をいただきありがとうございました。

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