「特殊詐欺防止対策について」

2019.10.3 

 宇治警察署生活安全課

警部補 近藤勇二

皆さんこんにちは。秘密のベールに包まれた組織からやって参りました(講師紹介のコメントを受けての発言)宇治警察署生活安全課生活安全係で係長をしております近藤でございます。階級でいいますと警部補になります。宇治鳳凰ロータリークラブの皆さんにあられましては平素、警察の業務にご理解とご協力を賜りまして、誠にありがとうございます。署長になり代わりまして挨拶、お礼を申し上げます。今日はゲストスピーカーということで機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。

お話のテーマは「特殊詐欺の被害の現状と対策」ということで今、日本全国、社会的にも非常に問題になっているのがこの特殊詐欺の話です。で、オレオレ詐欺とか、そういった言葉は皆さんも、耳にされたことはあると思います。そのことについて、今からお話をさせていただきます。

まず、特殊詐欺という言葉について聞いたことがあると思います。この言葉の意味を説明してくださいとの皆さんに質問しても多分、大半の方が即答できないでしょう。警察庁で決められている定義であります。日本に於ける特殊詐欺は、「振り込め詐欺」と「振り込め詐欺以外の特殊詐欺」の2つに分かれています。そして、オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金等詐欺、この4つの振り込め詐欺と呼ばれる手口の詐欺。それ以外の特殊詐欺ということで金融商品取引名目詐欺。ギャンブル必勝情報提供名目の詐欺。例をあげますと、例えば数字を当てるナンバーズと呼ばれる宝くじで次回、この数字が当たりますよとかいった手口です。そして異性との交際あっせん名目の詐欺。例えば、若い子に会いたかったらポイントを買ってください。1ポイント1,000円とかいって、買わすだけ買わせて会うことができないという手口の詐欺。そして最後に、その他の名目の詐欺ということです。例をあげると「マイナンバー制度」とか世の中に新しい仕組みができるとそれをネタにだますとか、令和になりましたので変更手続きをしないといけないとか、いろんな理由をつけてだます手口といったものです。ということで、以上これら8つの手口のことを警察では特殊詐欺と呼んでいます。

ここで皆さんに質問をしたいと思います。昨年1年間、平成30年中に京都府下で、今ご紹介した特殊詐欺だけで、どれくらいだまし取られていると思いますか。

1億?、3億?、5億?、10億? はい、答えは約5億円。昨年1年間、京都府下で257件、約5億7,609万円ということで、これは被害届が出ている金額だけであります。

現実には、被害に遭っておられても被害届を出しておられない方もおられますので、実際はこの金額より多いと思います。

次のグラフは、過去7年程の被害の状況なんですけども、件数は上がったり下がったりの変動はありますが、金額は徐々に減っているものの、なかなかゼロにはならない。件数も、昨年は減りましたけどもゼロにはならないというのが、今の現状です。

では宇治警察署管内の被害状況はといいますと、平成30年中、被害が11件。被害総額約2,211万円。今年は8月末現在、4件。昨年より-1件。被害総額約231万円。前年対比-1,641万円ということになっております。しかし先月9月には、また被害が発生してるということで、統計数値はまだ発表していませんが、9月は増えているという状況であります。

どういった方がだまされているかというと、年齢的には65歳以上の高齢者がだまされている率が高いです。男女の内訳ですが、女性が80%ということです。さらに犯人がアプローチをしてくるきっかけは、いわゆる自宅の電話ということで固定電話からの接触が多い。警察では住民の方々から、「特殊詐欺と思われる電話がかかってきましたよ。」との情報をいただきますが、平成30年中に京都府下の各警察署ごとで、その件数を数えた棒グラフがあります。結構、宇治署は164件ということで府下では4番目に多いということです。今年の8月末現在は121件。前年対比+21件。今年はさらに上位にあり、これは京都府下で2番目に多いのです。やはり、宇治警察署管内、つまり宇治市や久御山町はねらわれているということであります。

どういった手口が多いかといいます。犯行の手口ですが、まず、自宅まで取りに来る者。

現金やキャッシュカードを受け取りに来る。それから京都駅まで出てきてくださいとか、東京駅まで来てくださいということで、遠方までおびき寄せてお金を渡させる。ATM に行かせて、 ATM を操作させて振り込ませる。コンビニで電子ギフト券と呼ばれるポイントカードを買わせて、その番号を犯人側に知らせて大金をだましとる。それからコンビニにある振り込みの機械がありますが、それを操作させて振り込ませる手口であったり、ゆうパックとか宅配便で送らせる手口といったものがあります。

特殊詐欺の特徴ですが、1つには、高齢女性がだまされるケースが多い。2つには、このような話を聞いたり、テレビで見たりして、知っていたにもかかわらずだまされたという人が多い状況があります。

では具体的にどういった手口があるのか、見ていきましょう。まず1つ目が還付金詐欺です。

これは役所から電話がかかってきてという手口なんです。ここでは、過去に実際にあった事例で説明します。70歳女性が200万円だましとられたという手口を説明します。まず犯人からこのような電話がかかってきます。平日の昼前ころに被害女性の家の電話がなりました。

「はい、もしもし〇〇です。」ということで女性が電話に出ます。

そうすると犯人は、「宇治市役所の高齢福祉課の○○です。2月に還付金手続きの封筒を送っていますが、届いていますか。お宅、手続きはまだですね。」といいます。

女性は、「そんな封筒送られてきたかな?」と考えていると、相手が「すぐに手続きすると、ご主人さんの分と合わせて12万円ほど返ってきますよ。」といわれる。

「それはもったいない。どうしたらいいですか、還付金の手続き?」と女性が質問すると、相手の男は、「手続きは役所ではなく、金融機関の方で対応してもらっています。」といいます。さらに男は「お宅はどこの金融機関と取引されてますか。」と聞いてきて、女性が「○○銀行と取引しています。」と答えると、「では、この後、〇〇銀行の担当者から電話をさせますのでしばらくお待ちください。」といわれ、電話が切れます。

「わかりました。」ということで、女性が電話を切ると、すぐさま、また別の男から電話がかかってくる。

「〇〇銀行です。先程宇治、宇治市役所の高齢福祉課の○○さんから聞いて電話させてもらっております。手続きについては近くの ATM でできますよ。」といわれる。

女性が「ああ、それであれば近くにATMがあります。」と答えると男は

「連絡用にまず、あなたの携帯番号を教えてください。」といわれ

女性はつい教えてしまう。そして男から「すぐにATMへ行ってください。」といわれ、

このあと女性は銀行の ATM や、コンビニの ATM とかにキャッシュカードと携帯電話を持って走っていきます。ATMに到着すると携帯電話で犯人から電話がかかってくる場合もありますし、逆に女性から犯人に電話する場合もあります。

「今、着きました。」といいますと、犯人は手続きを進めていきます。

「今からいう番号を入力してください。入力番号をいいますね。」と説明され、いわれるがままに番号を押して進めていきます。「はい、手続きが完了しました。これで数日後にお金が振り込まれますよ。」といわれて、この女性は安心して家に帰ります。しかし、この犯人が女性にやらせている行為というのは、還付金の手続きではなく、他人の口座にお金を振り込ませる行為ということなんです。

でも被害者の女性は、最初に「還付金があります。」といわれていますから、完全にお金が返ってくる手続きをしているということが頭にあるので、他人の口座にお金を振り込んでいるという発想は一切起こりません。本当にだまされてしまうんです。

しかし、役所ではたまに還付金が交付されることがあるのですが、そういう場合は、ATMを操作させて手続きをすることはありません。

役所から還付金の話があれば、必ず「還付金ありますか。」ということを、直接役所に電話で確認していただきたいと思います。だまされている方の多くは、自分1人で判断して自分1人で手続きを進めてしまったために、だまされています。よって、周りにいる家族や知人等が声をかけるということで、被害が防げないかというところであります。みんなで気をつけていただきたいと思います。

次にオレオレ詐欺です。従来からあるオレオレ詐欺という手口は、息子の名前を名乗る男から電話が家にかかってきます。

高齢女性が、「はい、もしもし○○ですが。」と電話に出ると、「オレオレ、勇二なんだけど。エヘン!エヘン!」という感じで、風邪をひいたような声で電話をかけてくる。

お母さんが「どうしたの。」と聞くと、男は「今、何かおたふくかぜになったかもしれないから、昔、おたふく風邪予防の注射をしているか、確認するのに母子手帳を確認できないか。」といわれる。女性は「急にそんなこといわれても、すぐに出てこないから今日は出せないよ。」と答えると「まあ、それやったら明日までにすぐ探して。」といいながら、次に「家の電話機に表示されている携帯電話番号は、普段の携帯電話と違う番号から電話をしている。これは自分個人の携帯電話が潰れたので、今、会社から借りている携帯電話から電話している。なので、この電話からかかってきたら必ず電話に出てね。」といいます。

「わかった、わかった。」と女性がいうと一旦電話が切れます。

そして、次の日に電話がかかってきます。ゴホンゴホンいっていたのが「もう大丈夫や。」といった上で、男は「実は相談したいことがある。」という。

「何なの。」と女性が答えると、男は「実はつき合っている女性を妊娠させてしまった。その女性には旦那さんも子供もいて、不倫やった。その旦那さんがカンカンになって怒って『この件で損害賠償を求める、600万支払え。』といわれた。『支払えない。』というと『そしたら会社に乗り込む。』という。何とかお金を用意しないと会社クビになる。何とかしてよ。」で、それを聞いたお母さんは「わかった、わかった。何とか助けるから。」というと、相手の男がこのようにいいます。「今から銀行へ行くでしょう。銀行へ行ったら高額のお金を下ろすと絶対、『何に使うの?』と聞かれる。その時は『そのお金は、家をリホームするのに使うから。』とそのように説明しなさい。」というところまで指南してお金を引きおろさせるのです。

その後、家にお金を取りに来た者に渡させたり、わざわざタクシーや新幹線で東京まで持ってこさせるとか、そういったことをさせてまで、現金をだまし取ることが実際に被害として発生しています。

ここで、何で犯人らは息子の名前を事前に知っているのか。その理由ですが、これは実は様々な名簿を見てやっています。で、よくありましたのは、高校の時の卒業生名簿が昔ありました。同窓会名簿の住所録といったものを悪用して、これをもとに連絡すれば同年代の息子さんですし、その親は70代や80代ということでターゲットとしては整っていて、大金をだましやすいということなんです。これらの情報を悪用してだましたケースも多いのです。よってオレオレ詐欺に対しては、しっかり相手の名前を聞く。そして、質問をしてみる。例えば「孫に、最近会ってないけど、名前はどんなんやったかな?」と聞いてみたりする。そこで相手が動揺するようであればあやしいといった具合です。また、そういったことをする前にまず、「ごめん。今、忙しいから後で電話するね。」といって一旦電話を切って本物の息子さんの携帯電話や会社や自宅に「今、こんな電話がかかってきたけれど大丈夫か。そんな電話くれたか。」といって確認をするということをしていただきたい。何よりもお金という話が出たら絶対お金振り込まないことをお願いしたい。

それから次の手口としてハガキによるものがあります。「民事訴訟通告書」と記載されたはがきが送られてくる手口です。内容的には、「あなたが利用していた契約会社から契約不履行ということで民事訴訟を起こします。」とか「裁判しますよ。」とか「差し押さえますよ。」とか書かれている。また、東京にある国民訴訟通知センターといった、いかにもありそうで、なさそうなところから手紙が来ます。これを見て、「うわ、裁判される。大変だ。」ということで、慌てて電話をしてしまいます。そしたら犯人の思うがままで、「今からいう口座に、お金を振り込みなさい。」といったことをいってきます。こういうハガキとか、封筒とかが、いまだに来てるみたいです。昨日も、宇治警察署で話を聞いていたら「こんなん来てます。」というような内容の相談に来られてます。こういうハガキについては、送られてきても絶対に連絡をしない。お金といわれてもすぐに出さない。不安に感じたらすぐに相談してもらう。相手がいろいろ聞いてきても個人情報は教えないようにしてください。

このような従来からある手口の他に、最近新たな手口が発生してきています。その手口は詐欺盗(窃盗)、つまり「キャッシュカードすり替え型」というだましの手口です。これもまず電話で始まります。

奥さんが電話に出ます。「もしもし○○ですか。宇治警察の山下です。」「詐欺の犯人があなたの口座をねらっています。あなたの口座を守るためにカードを保護する必要があります。」「今、金融庁の者がお宅に伺っております。キャシュカードと暗証番号を書いたメモを準備してください。」と男がいいます。奥さんが、「来てもらえるんだ。すぐに準備しますね。」

といって準備しはじめたら玄関の方で「ピンポン」と呼び鈴がなる。

そして「金融庁のものです。」と別の男が家にやってくる。

「今の電話でいっておられた方ですね。」といいながら奥さんは準備したキャシュカードと暗証番号を書いたメモを渡します。

すると相手の男は、「この封筒に入れてください。」「あと封印しないといけないので、奥さん印鑑はありますか。」といってくる。

奥さんが「取ってきますね。」といって家の奥に入っているすきに、男は「しめしめ」と本物のキャッシュカードと暗証番号が入っていた封筒を、事前に用意していた偽物のカードを入れていた封筒に差し替えます。その後、奥さんが印鑑を持って玄関先にやってくると、男は「ここに印鑑を押してください。」といって押印させます。男は「この封筒は私が指示するまで絶対開かないでください。」「もしかしたらこのやりとりを誰かが盗聴してるかもしれないので、このことは絶対誰にも話さないでください。」といって犯人は本物のキャッシュカードと暗証番号の入った封筒を持って家から出ていきます。奥さんは、それで安心して、「これで大丈夫」と思い込んで家で渡された封筒を大切に保管されます。犯人はその間に、本物のキャッシュカードを持ってコンビニの ATM でお金を引き出して、一回あたり50万円の現金を手に入れる訳です。こういうキャッシュカード手交型でお金をだまされる手口は、今、発生している手口の主流となってきています。ですので絶対キャッシュカードを要求されても渡さない。暗証番号を教えろといわれても、絶対に教えない。できたらキャッシュカードの利用限度額を事前に下げていただく。こういうことがあれば、すぐに警察に連絡をいただきたい。

あと、若い方々がだまされる手口もあります。これは電子ギフト券を使った詐欺の手口です。コンビニに行きますと、最近、アマゾンとか、様々なインターネットのサービス上で

ギフト券の裏側に記入されているID番号を入力したら購入した金額分を使うことができるカードが販売されています。

これを詐欺の際のお金の支払いの代金として使われる手口が増えています。

若い人たちのスマートフォンに、メールで「あなたが利用したインターネットの動画サービスの料金がまだ支払われてませんよ。5万円払ってください。」と送られてくる。そして、メールに記載された連絡先電話番号に連絡すると、このカードをコンビニエンスストアーに買いに行かせて、裏側に記載のID番号を犯人側に教えるようにいわれて、教えてしまい、受け取った犯人はそのID番号を、ネット上で入力して自分の者として使用し、金額分をだます手口です。

これは、高齢者の方よりも、インターネットを利用する機会の多い若い年代の方に被害が発生しています。こういう手口も架空請求でありますので、絶対覚えのない請求には、連絡をしたり、お金を払ったり等はしない。「電子ギフト券のID番号を教えろ。」といわれても、相手に教えない。被害に遭った場合は、すぐにカードの発行先に連絡して被害防止ができるようであれば、その手続きをする。そして警察に相談する。

詐欺の手口というのは、日々変化してきています。よくこんだけ悪知恵を働かせていろんな手口を考えるなというのが、今の特殊詐欺の現状です。

その上で、どのようにしてこれら特殊詐欺の被害を防いでいくかですが、特に高齢者の方に対しての対策は、次の3点です。

1点目は、犯人と喋べらない。電話にひと工夫する。

2点目は、だまされても周囲がカバーする。家族の絆で防いでいく。

3点目は、お金やカードを渡さない。事前の対策を打つ。

ということです。

1、 電話に対する対策でいいますと防犯機能付き電話を活用するということ。今いろんな特殊詐欺被害防止のための多機能電話というものが出てきています。具体的には、電話が鳴ると、まず、「この電話機は、特殊詐欺被害防止のために録音をしています。」といったアナウンスが流れたり、非通知の電話であったり、事前に登録していない電話番号に関しては電話をつなげないようにする。そういった様々な機能が付加されたものが販売されていますので、そういう電話器を取り付けていただいて被害防止をしていただきたいと思います。但し、わざわざ新しい電話機を買わないといけないことになりますので、それ以外の方法として、従前のものに取り付ける機器もあります。こういった電話回線の途中に、このような機械をつなげて、同じようなアナウンスを流す機能を有する機械も売られております。通話録音装置については、京都府警でも何台か貸し出しをさせてもらっています。この貸出実施結果によりますと、全体の4分の1を切断ということで非常に多い迷惑電話について、これを受けないようにすることができています。つまり効果があり、利用されている方も多いです。以前アポ電強盗といったものが東京で発生しましたが、そういったニュースが流れたこともあって、皆さんが関心を持つようになり、取り付けされる家庭が増えています。よって、こういった機械で防ぐということをお願いしたい。

2、 それから家族のきずなで防いで行こうということですが、今までそういう被害が発生した際に、被害が未然に防げた事例を見てみると、まず「相手の声がおかしい。」「これは息子じゃない。」「関西弁しかしゃべらない息子が、えらい標準語をしゃべっている。」といったことで気がつかれたり、目の前に本人がいるのにかかってきたケースもあります。子供さんに「今、こんな電話がかかってきたけどどうやろ。」と聞いてみたといった形で怪しいと気づかれる。つまり、いかに普段から家族とのコミュニケーションをとっているかが、大変重要であるということです。話を聞いた後、誰かに相談したら、「それはあなた詐欺ですよ。」といわれたということで助かったということです。今、警察庁では、「家族の絆でSTOPオレオレ詐欺」というCMを流しています(動画を再生する)。

このようなCMをテレビ等で、今年の春くらいから流しています。

「家族の絆が大切です。」ということを訴えています。

京都府警でも毎偶数月の15日が年金支給日ですので、その日に合わせて「家族を守る日」ということで、みんなで家族に電話をして、普段からコミュニケーションを図って、被害を未然に防ごうという内容の広報をしています。その中で特にお願いしているのは、事前によくインターネットでは、秘密の質問という形で事前に確認するための質問事項の答えを登録しますよね。それと同じように、こういう電話があった時に、自分の息子かどうかを確認するために、「お子さんの大好物は何なの」とか、「家で飼っている犬の名前は、何やったかな。」とか、「奥さんの旧姓はなんだったかな。」といった質問と答えを決めておくとか、「電話でお金の話をしないようにしようね。」とか、「決まった日に電話をかけて、家族の間で事前にそういうことを決めて対応するようにしてくださいね。」とお願いをしています。

そのような家族とのやりとりの中で、何とか特殊詐欺の被害を防ごうということなのです。

3 金融機関の水際対策としては、高額出金をされた際に銀行では、必ず「何のために使用するお金ですか。」と使用目的を聞かれます。高額の出金をなされる時には、警察官が赴いて確認をするために、金融機関から警察に連絡してもらうようにお願いをしています。高額の出金をされた方が、被害に遭ってないかを確認し、もし被害に遭っているような形跡が認められたら警察も積極的に介入して被害を防ぐような手続きを、警察から金融機関にお願いをして、現在対応しています。

最近のキャッシュカードは、指紋などの生体認証を利用したものもありますので、犯 人は「そのような機能を有したキャッシュカードに新しく交換しないと使えなくなりますよ。」みたいなことをいわれるので事前に対策を取られている生体認証カードに変えることをすすめていただきたい。また、生体認証カードに変更する際に、引き出し額を低く設定していただくこともお願いしたいところです。

引き出し額を、事前に低く設定することで、被害に遭ったとしても、被害額を少なくする事となります。某信託銀行では500万円以上のお金を引き出す場合には、家族の同意が必要といった措置をされているところも他府県ではあるということです。いろいろ制約がかかってくることもありますが、高齢者の大切な財産をいかに悪い奴にだまされないように守っていくかというところであります。よって、こういった制度等を活用していただきながら被害を防いでいくようにお願いしたいと思います。

次に、このスライドは、特殊詐欺や悪質商法の犯人がねらう「高齢者の不安3K」を説明しています。

まず、高齢者の皆さんは「お金ない。持ってないよ。」といわれますが、悪い奴らはしっかり見ています。高齢者が貯めているお金を犯人ら悪い奴らは、しっかり狙っています。次に「健康」のことをいわれる。「いつまでも長生きしたいですよね。」といわれると、そこはお年寄りにとって、非常に弱いところです。そんなところも狙っています。あと独居、つまり1人で生活されている高齢者、これは悪い奴らからしたら狙いやすいところでもあります。ですので、こういったところが、ねらわれているんだということを十分認識していただいて、みんなで守っていきたいということです。そして、今日お話ししたような「だまされているかな?」という話があった時に、皆さんにお願いしたいのは、お金は絶対に払わないでください。キャッシュカードも渡さないでください。暗証番号も教えないでください。何か問題が起こったら、1人で悩まず、すぐに相談を!

まずは相談をしていただきたい。しかし、警察に電話するということは、一般の方には非常にハードルが高いと聞くことがあります。緊急の場合には、遠慮なく110番にかけていただく。そして、緊急でない場合は、警察には相談専用の窓口があります。

警察本部には、警察総合相談室があります。これは「♯9110」を押せば、平日の9時~17時45分の時間帯は、府警本部の相談担当者が対応します。また、宇治警察署でも24時間受け付けています。宇治警察署の加入電話番号は、0774-21-0110です。電話いただいたら「どのようなご用件ですか?」と担当者が出ますので、「どうもあやしい電話がかかってきた。」「オレオレ詐欺かもしれない。」とか、そういうふうにいっていただいたらお話を聞かせていただいて対応させていただきますので、よろしくお願いします。

ということで宇治警察署、日々住民の皆さんの安全と秩序の確保を目指して頑張って参ります。引き続き、犯罪捜査にご協力いただいいただきたいと思います。

以上で、私のお話を終わらせていただきます。本日は、どうもありがとうございました。

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