「たかがスポーツ。されどスポーツ」

2020.7.30

宇治市スポーツ協会

会長 平田研一

宇治市スポーツ協会の平田と申します。マウスシールドを着けてお話をさせていただきます。今日は、卓話の機会を与えていただきありがとうございます。

宇治市スポーツ協会は、今、大きく変わろうとしています。今回のコロナの問題もありますがそれ以前から課題をたくさん抱えております。このクラブの皆様の中にもスポーツ協会の会員さんで、存じ上げている方も何人かいらっしゃいます。改めて、今こういうことを考えているのかご理解いただく機会を与えてもらいありがとうございます。

タイトルである「たかがスポーツ、されどスポーツ」の話しの前に、宇治市スポーツ協会は、宇治市のスポーツ関係団体の総括団体としての立場に立ち、現在24団体が加盟しています。

宇治市内の各種スポーツ関係団体として、スポーツの普及振興を図り、市民の体力増進と健全な精神を養い、健康で明瞭な市民生活の形成に寄与することを目的とする。とうたっており、1.市民スポーツ・生涯スポーツの進展。2.スポーツ交流の輪を広げる。3.組織の強化と拡大を図る。4.財政基盤の整備。こういうことを事業目的としています。分かりやすい例で紹介しますと、市民総体や宇治川マラソン大会などを行っています。

続いて沿革ですが、昭和42(1967)年6月に和田先生を初代会長に、9種目の団体が結集してできたのが宇治市体育協会です。それから昭和48年公益化に伴い財団法人宇治市体育協会、その後、平成26年4月法人制度改革に則り一般財団法人宇治市体育協会に、それから2019年4月名称を一般財団法人宇治市スポーツ協会に変更しました。これは、体育=スポーツと考えておられる方も多く、体育をより広い意味をもって自発的に楽しむのがスポーツだという認識のもとに名称を変更しております。

宇治市スポーツ協会の歴代会長は、和田先生が30年、その後は2年から4年程で交代され、私の前の坂田緑郎先生は約10年務めておられます。私は平成28年に会長に就任しました。

私がなぜスポーツに関わったかについてですが、生まれは鹿児島で京都にはある意味出稼ぎに来ております。当時京都市内に住んでおり宇治に遊びに来た際、宇治橋から宇治川越しに見る宇治の風景が好になり、25年前に宇治に引っ越してきました。

自宅近くの東宇治コミセンで偶然目にした一枚のチラシ、宇治市第3次総合計画策定の市民委員募集と書かれていました。宇治市が初めて市民参加型の総合計画を策定しようとした試みです。それに目が止まり応募し委員に選んでいただきました。委員となりいろんなことを勉強させていただきました。因みに今年から第6次総合計画を策定することになっています。総合計画は10年毎に策定する、宇治市の最上位の計画で、この総合計画に載っていない事業はやらない、というのが基本です。私はこの策定作業に関わったことで、大げさではなく、住民としての一生の目標が決まったと感じました。

では、「まちづくり」にどのように関わっていくのか、考えた結果、「まちづくり」の基本は「ひとづくり」ではないか。だったら私にできるひとづくりを好きなスポーツで実践・貢献しよう。と決めました。

どのように貢献するのか?

かっこよく生きるため。私たちがよりよく生きるために。

スポーツすること自体は、目的でなく手段だと考えています。

当時はよく分かりませんでしたが、スポーツマンシップという言葉に拘ったのを覚えています。

皆さん、スポーツマンシップって何でしょうか?

「宣誓! 我々はスポーツマンシップに則って正々堂々戦うことを誓います。」この言葉は聞かれたこともあるし、自ら選手宣誓された方もいらっしゃると思います。

しかし、スポーツマンシップという言葉は知っていても、意味を理解している人はものすごく少ない。誰もがその重要性を知っていながらその意味を誰にも説明されず正しく理解しているかどうかを確認しない。しかもそれが不自然だと感じていない。この知らないという事実は、不健全さの極みであると感じています。

改めて、スポーツマンシップとは何かということですが、いいゲームを実現するための心構えだと考えました。

その心構えは3つあります。

Respect(リスペクト)相手、仲間、ルール、審判への尊重

Braveness(プラベネス)責任を持って決断する

Resolution(レソリューション)勝利をめざし全力を尽くしてたのしむ覚悟。この心構えがあってGOOD GAMEが実現できます。

体育を英語で言ったらスポーツだという人がいますが、違います。スポーツは、運動+ゲーム。勝敗を楽しむ遊びであるためには、自

発的に楽しむことが大切です。

体育は、英語でPhysical Education(フィジカル・エデュケーショ

ン)といいます。知育・徳育に対して適切な運動の実践を通じて身体の健全な発達を促し、運動能力が健康な生活を営む態度などを養うことを目的とする教育です。

スポーツとは? 運動(身体活動)+ゲーム(ルール+競争+遊び)=GOOD GAMEを目指してプレーする身体活動です。

ではスポーツマンとスポーツマンシップの意味は?

スポーツマンは、スポーツをする人。運動選手。と辞書に書かれていますが、狩りや魚釣り・競馬などもっと幅広いものです。

スポーツマンシップは、スポーツを起点とした相手に対する思いやり、ないしは一個人として正しい行いすべての総称をいいます。スポーツとスポーツマンシップを理解できると、GOOD FELLOW、いい奴・いい人になれます。

GOOD LOSER(グッド・ルーザー) 良き敗者という意味ですが、これはとても大切なことだと思います。昨年のラグビーワールドカップで気づいたのですが、ノーサイドの精神、ラグビーシーンではサッカーとは異なり観客席にアウエー、ホームがありません。対戦チームのファンが隣同士に座って試合を見るのは当たり前、試合前からノーサイドが実現されています。

スポーツは真剣な遊び、スポーツの本質は遊びです。社会に絶対不可欠なものではありません。自然災害や有事の際には真っ先に開催が中止。つまり、人生や社会にとっては本質的には必要ない遊びに過ぎません。「たかがスポーツ」というわけです。

ただ全力でフェアに戦い、他者に対する寛容さと遊び心を忘れない。真剣に勝ちを目指す過程に学ぶべき本質的な価値があり、私たちの

人生に豊かさと成長をもたらすもの。

「されどスポーツ」というわけです。

次に、スポーツマンシップ=ビジネスパーソンショップについて、

スポーツマンという言葉には汎用性があります。好ましい品格は試合に勝つためにも友情を築くためにもビジネスを行う上でも役立ちます。他人を尊重し、勇気を奮い、覚悟を持ち、公正で、誠実で、謙虚で、賢く、責任感を持っている人のほうがそうでない人より信頼できるはずです。成功者の集まり、ロータリークラブのメンバーの皆さまも同じだと思います。

何の分野でも一流になるポイントは、「GRIT(グリット)」という究極の能力にあると考えられています。成功する人に共通する特徴は、「情熱」と「粘り強さ」すなわち「やり抜く力」にあります。

その究極の能力「GRIT(グリット)」は、

GUTS(ガッツ)困難に立ち向かう闘志。

RESILIENCE(レジリエンス)失敗しても諦めずに続けるねばり強さ。

INITIATIVE(イニシアティブ)みずから目標を定めへ取り組む自発。

TENACTITY(テナシティー)最後までやり遂げる執稔、の頭文字を並べた言葉です。

このグリッド力の高い人といいますと日本で認められているのはイチロー選手です。「努力した結果何かができるようになる人を天才というなら自分はそうかもしれない。」ビジネスマンでいうと本田宗一郎さん、有名な言葉は、「倒れるごとに起きることにある。」京大の山中伸弥先生もそうだと思います。臨床医として神戸大・大阪市立大から京大にこられましたが、「9回失敗しないとなかなか1回の成功が手にいらない。」昔の人では50歳過ぎてから日本中を歩いて地図を作った、伊能忠敬はグリッド力が高いといえます。

「情熱」と「粘り強さ」が分かる、グリットスケールというテストがあります。今から配布します。時間は掛からないので試してください。自分のグリッド力を評価することでいろんな意味でヒントになると思います。(皆さんの点数をお聞きし、謙遜した評価の印象)

グリットを伸ばすための方法は、興味あることに打ち込む。失敗を恐れずチャレンジし続ける。(挑戦せざるを得ない環境を作る)小さな成功体験を積み重ねる。グリットがある人のいる環境に身を置く。

皆さまには、今まで以上にグリット力を伸ばし、宇治を牽引していかれることを期待しています。

最後に宇治市スポーツ協会は、「スポーツは自ら進んで楽しむものであり、幸福の追求と健康で文化的な生活に欠かすことができない人類共通の文化」であることを認識し、あらゆる人々に一切の差別、格差なく享受され、公正で福祉豊な地域生活の創造に起用することを目指し支えます。

スポーツマンの心が日本を立て直し、世界を救います。

また、スポーツは子供を大人にし、大人を紳士・淑女にします。

これからも宇治スポーツ協会に皆さんのご理解とご協力をお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。

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